コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

3月21日(祝) 春風そよそよ  -音楽 - J−POP-

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 レコード・コレクターズで二ヶ月連続で特集が編まれる位だから歌謡曲フリークとしては同慶の至りなのだろうが、ひと口に「シティポップ」と言っても、その意味する処は振幅が大きい。
 恐らくはシティを「都市型の、洗練された」という形容詞として用いているのだろうが、70年代にはジャズの要素が強くサックスが奏でられたりと一歩間違うとムード歌謡擬きから、昨今では演奏こそ複雑なのかも知れないが、妙に抑揚の無い男性歌手の唄い方がカレッジ・フォークかと見紛うものまで、その昔旧来のジャンルに収まらない楽曲が現れる度に"クロスオーバー"に押し込んで仕舞ったのと対比すべきではないのかも知れないが、果てしなくバルンガの様にその包摂される要素が膨らみそうである。
 個人的には自ら操演するからでもあろう、矢張りギターよりも鍵盤のバッキングを主体とする楽曲に惹かれるが、だからと言って70年代末から80年代前半の「テクノ歌謡」の全てがヒットする訳ではない。中では「くちびるヌード」や「ニュアンスしましょ」がとくに琴線に触れたが、これ等が多分に沖縄音階的であるのに対し、昨今復刻された山口美央子氏の三枚のアルバムの四七抜き風の日本的メロディと必ずしもジャストでない拍が心地好く、往々にして書評を信じて過去の作品を漁ると日本何大がっかりに至るケースも少なくないところ、久々に儲けた感があった。

i310.jpg  さて3月21日はナイアガラの日、ご存命中は毎年過去作品の周年記念版がリリースされてきたが、天上に召されてからもベスト版や発掘作が続いている。
 今年はシリア・ポール「夢で逢えたら」の40周年豪華セットとともにソングブック第三弾の扱いで、古今東西の「夢で逢えたら」を集めた四枚組も発売された。
 幾ら名曲であっても、大滝氏ご本人の歌唱や太田裕美氏のライブ版、TV「SONGS」での追悼デュエット等には感涙咽びそうになったとはいえ、流石に60バージョン聞くのはひと仕事である。
 ただアップテンポにしたりそれこそジャズ風だったりと様々なアレンジが試みられてはいるものの、大半が原曲か、口端に登ったという意味で最大のヒットとなった96年のラッツ&スター版をベースにしているということは、逆に言えばラッツ版のソウル系のリズムを強調した編曲が如何に秀逸だったかの証しでもあろう。
 来年、末尾"9"の年は周年リバイスする原本に欠ける年なので、是非手付かずのご本家ライブ盤を新規開拓戴きたい。

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