コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

12月8日(金) 俺、参上  -ゲーム - 将棋-

i178.jpg  小学校低学年の頃、初めて将棋に触れたのはひみつシリーズの「将棋のひみつ」だったろう。巻末の棋士一覧には大山、升田の両巨頭は元より塚田正夫元名人らお歴々が健在であり、既に時代は中原名人の絶頂期を迎えてはいたものの、升田幸三氏の名人・九段・王将の三冠や大山康晴氏の五冠が棋界の歴史的業績として掲げられていたものである。
 時代は下り羽生善治の全タイトル制覇が話題となったのは95年である。この七冠独占だけでも未曾有の偉業に他ならないのに、この度遂に永世七冠に到達した。各タイトルとも永世位は概ね連続5期か通算10期が必要であり、要は年がら年中タイトル戦を闘い、その大半に勝利を収めなければ為し得ない。
 現在は九段→十段戦を発展解消した竜王が賞金額から最高峰とされているが、その歴史と伝統からしても名人位は別格であり、 永世位も名人だけは終身世だった江戸期から数えて代数で現されている。だからこそ昨今は煩雑な交替が見られるものの、木村義雄→大山→中原→谷川浩司→羽生善治と一時代を築いた棋士により長期に亘り継承されて来たのは、順位戦という堅固な枠組みの賜物でもあろうが、第一人者が名人位防衛に懸けるエネルギーの現れに違いない。
 逆に言えば他の棋戦へのパワー配分は小さくならざるを得ないから、大山氏の旧十段含め永世五冠、同じくは中原氏の四冠は別格で、永世名人戴冠では羽生氏を逆転した森内俊之氏も、先代の谷川氏も他棋戦ではひとつも永世位を獲得していない。
 にも拘わらず七冠独占から二十年余を経ての偉業とは、要はこの間最高峰に位置し続けたのだから空恐ろしい。大山十五世が69歳で亡くなるまで現役A級を続け、"ひふみん"加藤一二三元名人の53歳復帰、62歳までA級を維持した時代とは世代交代のスピード感が大きく異なっている。
 確かに40歳限界説すら唱えられた一時前に比べればA級に40代が七人並ぶ現在は過渡期なのか、或いは羽生世代こそが将棋という競技そのものを切り替えた節目であったのかも知れないが、ライバルとされた森内十八世は既にフリークラスに転出して一線を退いているのだから、矢張り羽生氏が化け物なのだろう。
 ところでこの報道で実は永世七冠が全タイトル制覇でなく八冠目、「叡王」が誕生していたことに気付いたのだから、とても将棋評論家は名乗れまい。
i177.jpg  話題になった電王戦の後継とはいえ、肝心のAIとの頂上決戦は事実上帰趨が見えたため、新聞主宰ばかりだったタイトル戦にネット動画という新たなスポンサーが現れた点は棋界として喜ばしいものの、何故いま新タイトル戦かという意義自体には乏しく、羽生氏に新たなモチベーションを与える人参の如く展開になったのは皮肉である。早速、叡王の永世位条件はと問うのは気が早過ぎるし、実際まだ決まっていないのだが。

 体力に著しく乏しい訳でもないのだが、可能な限り週に五日を会食で埋めるのは回避している。ところが今週は珍しく全日当選で、しかもそれなりに名のある方ばかり続いたので気が重かったが、却って自ら酒量をセーブするからか存外に宿酔いも僅かに乗り切れた。
 流石に土曜は喰っちゃ寝でしたが。

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