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コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

11月1日(水) 今日は正門から入ろう  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

i135.jpg  会期を巡ってもギリギリ迄合意が図れなかったのは、詰まるところ衆参の首班指名で「二位」の人物が異なることに象徴される野党内の衆参捻れが大きく起因していようが、況してや質問時間の配分見直しになぞ容易に決着が付きそうにない。
 野党に国会における質問時間を大幅に譲る「申し合わせ」は国対戦術的な配慮には他ならないが、そもそも議員内閣制下において内閣と与党は一体であり、国会は政府対野党の構図になるから与党から内閣への質問自体がナンセンスである。
 ただこの構図の中でも取り分け議員内閣制の祖とされる英国においては政府にポジションを得た議員とそうでない議員との落差が大きく、政府に入れなかった与党議員は中身もろくろく知らされないまま機械的に政府提出法案に賛成票を投ずる、押しボタンの代替と言っても誇張とは言い切れない。
 だからこそその替わりに若手議員には自己アピールを兼ねて質問の機会が自由討議という形で与えられ、頭角を表せば後衛からフロントの幹部席へと昇進するシステムが構築されてなる。
 これに対しわが国では、恐らく55年体制下の政権交替の可能性が極めて小さい基盤政党型国会における生活の知恵であろう、与党の事前審査という形で政府役職の無い、英国ならばバックベンチャーに過ぎない議員にも法案への関与の機会が認められており、英国以上に極めて院内民主主義の行き届いた制度設計になっている。
 今般の配分見直し論は、多分に安倍政権の瑕疵とされる緒事案において野党側の主張ばかりが国会論戦においてマスコミの偏向を除いてなお囂しい現状への不満が背景にあるのは理解出来るとして、実際に与党の総選挙大勝が三度続いたことにより、寧ろ中堅の域に入りつつある大量の三回生議員が、事前審査の場である政調各部会においても物理的になかなか発言機会が得られないという主張が前面に掲げられており、強ち否定し難い心理も働こう。
i139.jpg  では英国宜しく自由討議の時間を設ければとの"国会改革"論は容易に想像されるが、鳴り物入りでスタートした党首討論が結果として滅多にお目に掛かれない希少生物と化している現状では机上の空論に過ぎないし、個々の委員会における法案審議の過程で与党への配分を増やせば党内の部会との重複感が出るのは当然だろう。
 ただだからと言って事前審査を割愛して政府内の法案審議のみとする「政府与党一元化」は、理論上は理想的であり、現に民主党政権初期には小沢一郎氏の年来の主張として具現化されたが、詰まるところ審議には蚊帳の外の押しボタン議員を大量に排出して与党内に怨嗟の嵐を呼び起こすに至り、「政府与党一元化」を貫くならば副大臣・政務官を五人ずつ位増やして、与党全員を政府内に取り込まざるを得ないという結論が導き出されたが、元より非現実的である。
 事前審査は一見、院内の機能を一部代替している様に映るが、実際にはこの政府内の議論を党政調に肩替わりさせるものであり、(セミ)クローズドな分、寧ろ国会よりもストレートな論戦が繰り広げられるという意味でも、貴重な歴史と伝統に他ならない。
 勿論、半ばプライベートの党内議論では働き振りが支持者に伝わり難いというジレンマは残ろうから、各委員会は現行のままか、寧ろこれまで以上に野党に手厚く配分し、TVの入る予算委員会を幾分与党寄りに改めるのが落とし処であろう。実質的にわが国においては予算委員会こそが慣例として自由討議の機能を果たしているのだから当を得ているのではないか。残念ながら衆院第二党の左傾化は、この具現をより難しくしているが、だからこそ敢えてこのタイミングに遡上に登らせたのかも知れない。

 先週の議員会館は、選挙後には必ず訪れる引越の寂寥感に包まれていたが、議席確定後僅か4日の退出期限の前に早々に一覧表上に斜線が引かれている事務所は、公示時点で引越を済ませている引退議員の部屋である。
 しかしながら何と無く引退した顔触れより斜線が少ないのではと繁々と眺めて気付いたのは、親族が出馬している引退議員は現職扱いなのである。
 確かに慣例として後継たる親族には同じ部屋が割り当てられるが、恐らくは議員規則に銘記されている訳ではなく、合理的なのか情緒的なのか微妙な案配だが日本的な配慮には違いない。
 ただ中には二世であっても不覚を取られた方もいるから、金曜になると改めてその親御さんにも斜線が加わり、この時間差がより悲哀を醸し出している。学生時代、三年への進級にあたり見込みで当確が貼り出されながら最終的に単位が足りず名前がマジックインキで黒々と消される悲劇を俗に「黒マジ」と称していたのを思い出した。
 当落は兎も角、公職への出馬という大きな決断をされた皆さんはそれだけで充分に尊敬に値します。何方様もお疲れ様でした。

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