コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

10月9日(祝) 希望の党のエクソダス  -政治・経済 - 衆議院解散・総選挙-

i106.jpg  華々しく希望が立ち上がり、スワ与党に暗雲かと大山鳴動し始めた時には、野党共闘から離脱し希望への対抗馬擁立を宣言した共産党に、内心自由民主党は拍手喝采で、皮肉な物言いをすれば共産党頼みたる事態すら想起されたのである。
 ところが民進党の衣替えでないことを明示する為の「排除の論理」が意外にも世論受けが悪いのみならず、現実に塾生始め既にプールされていた候補者を優先したが為に、スクリーニングからは逃れても国替えを余儀無くされる合流組が続出し、思想・政策の違い故か、或いは俄かな退調モードに機を見るに敏だったのか、勿論現実的な比例救済の側面も含めて様々な思惑が交錯しているのだろう、敢えて希望の公認を求めないばかりか、内定を辞退する候補者すら現れる始末になってきた。
 結局、東京・大阪・名古屋の三都物語も掛け声倒れとなったが、希望にとって最大の誤算はマスメディアの豹変であったろう。詰まるところ反政府色の強いとされる新聞・TVは反安倍であり反自公を最優先に、合理的に須く野党を後押しするかと思いきや、寧ろ先祖帰りして新左翼的な"革新"の信条に基き、立憲民主党支援という極めて情緒的な反応を示したのである。
 この文脈において希望は既に憲法改正、安保推進を唱えるという点で安倍政権と何等の相違無い「保守反動」に過ぎず、マスコミ的には左右の対立に埋没する運命が導かれた。
 結局、共産党は立憲との共闘を嗜好する政策的には合理的な判断に落ち着いたが、公示前から選挙後の政局を占うのは鬼が笑うとはいえ、この過程において官公労と反政府プロ市民は立憲・社民・共産陣営という形で整理されたのは、恐らく曾ての竹下登氏の如くに絵図面を描いた人物は存在しない偶然の産物だったろうが、わが国政治に新たな局面を齊すのではなかろうか。
 戦後長らく四ナショナルセンター体制が続いた労働組合は総評の民間労組を母体とする全民労協に同盟と中立労連が合流した全民労連が、最後に官公労と合併して連合に収斂されている。果たして今般の政党の離合集散は、同時にその支持母体たる労働組合、連合の再編をも迫るものとなるのではないか。
 即ち、官公労は社会主義協・新左翼系の全労協・全労連との緩やかな協調に向かうのが合目的的であり、緊急避難として希望支持となった民間労組側は、恐らく今後は単産、単組が独自に、政党ありきでなく政策と政治家個人の属性に依居した支持、の名の下に与党嗜好を強めていくであろうし、現にその動きも漏れ聞こえ始めている。
i102.jpg  その意味で希望の党は確かにわが国にひとつの希望を齊した、と述べるのは些かエスプリが効き過ぎだが、小選挙区制という所与の要件を除いて考えれば保守二大政党と鷹と鳩たる分別におけるところの"リベラル"の鼎立する構図は非実用的ではなく、希望がその一極の萌芽に位置を占めるという姿も決して夢想であるとは言えまい。
 従って、今選挙を第一ステップとしてその次で政権をとの発想は理知的な発想に他ならない。惜しむらくは政権交代にドラマを求めるマスメディアの嗜好とともに、出鼻が派手だった分選挙戦術としては全く当を得ないので、結果としては単に敗北感が残るだけに終わりそうだが。

 本日は千葉の中心部から北上し、一転して会社に戻ってから夜は国分寺である。住民票は杉並にしかないので候補者と握手しても気は心、に過ぎないのだが枯れ木も山の賑わいで許して貰おう。

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