コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

7月25日(火) みんながあなたのことを  -海外情報 - 台湾-

i3.jpg  そもそもサピックス夏期講習の合間を縫うので父よりもプレ受験生の日程優先だが、ハワイなら海と真珠湾、パラオは潜水、ケアンズならコアラにカンガルーと複数の目玉商品に対し、三泊四日の駆け足でも概ね堪能可能との観点から台湾に落ち着いたとも言える。
i4.jpg  して早くも最終日、遠乗りは諦め忠烈祠に、嘗てわが国統治期の護国神社であり、即ち今もなお台湾の靖国神社である。予備知識無く伺い門下に立哨する衛兵を眺めていると自然に前庭に招き入れられ、程無く更に七人の兵隊さんが行進入場してくる。
 規律正しく中央を闊歩するに連れ、観衆の喫水線も潮が満ちる様に繰り上がっていくのが面白い。愈々本堂まで到達すると儀仗銃を捧げつつ交換しつつ、こちらにも二人を残して五人で引き返す。バッキンガム宮殿の如く楽隊の無い分却って静謐であるし、朝一番は冒頭国歌も流れる豪華版であった。残念ながらわが国皇宮護衛官の交替儀式は警察組織でもあり仰々しくは行われないが、陸海空に共通した制服エリートへの登竜門たろうし、国民が軍の存在感や規律に親しむという意味でも有用だろう。
 流石に朝方は炎天下の鑑賞も然程苦にはならなかったが、交替した衛兵が門番に着任する時分には既にお馴染みの熱気に襲われる。スコールも御目見えし今や亜熱帯と化したと揶揄されるわが国を遥かに凌駕しているが、台風シーズンにも拘わらず全行程快晴続きだったのは暑くても幸甚と受け止めるべきなのだろう。

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 わが国なら家電の爆買いや医療ツーリズムであれば、台湾も飲食に留まらず昨今はシャンプーが新たな名物に浮上するとは、観光立国もサービス産業が死命を制するということか。
 残り少なくなった島紀行だが避暑も兼ねホテル近隣の美容室を目指し、観光ガイドに掲載されている割りに外観はおんぼろで一瞬怯んだものの、一転して店内は華やいでおり安堵する。
i7.jpg  頭皮マッサージを兼ねる実理性とともに座したまま泡立て、とくに女性はララーシュタインの如くに髪を逆立てるパフォーマンスが人気の秘訣であり、当然著しいコストも技術も擁しないからコロンブスの卵である。
 ロングタームの妻はそのまま残し、幾分サラサラ頭に変貌した子供達と総統府の外観のみ眺めてとんぼ返り。祐旭が東京駅に酷似していると看破した様に旧台湾総督府だが、結局わが国統治期来の遺構は旧台湾神社の圓山大飯店とともに痕跡を残せぬままに終わった。

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右は高雄のMRT
  至る処に専用レーンを仕立てたBRTも走っていたが、結局台北と高雄で試験的に一度ずつ地下鉄を利用した以外全てタクシー移動だったのは、都市の領域が狭く未だバイクも多くて渋滞が無いのに加え、どうやらわが国同様の距離と時間の併用制ながら、圧倒的にタクシーが安いからに他ならない。
i10.jpg  ドアこそ自動ではないものの一様に黄色に一括された姿は、羽田にて丁度黒や紺ばかり並んだタクシー乗り場に「一台もいないかと思ったよ」と二人して宣ったわが子の述懐を待つ迄も無く、五輪に向けユニバーサル・タクシーの仕様統一も遡上に登るわが国にとっても、示唆に富むものがあったろう。
i11.jpg  最後の昼餐はわが国でもお馴染みの天香回味とし、本場もまた舌にカレー風味を曲解させる香辛料は普遍であった。寧ろ醤油ベースの垂れだった一昨日の方が"台湾じゃトラディショナル"なのかは、小籠包六回に火鍋二回で結局純然たる台湾料理を賞味していないので判らない。

 帰路、こちらもわが国統治期の遺構と言えよう松山空港は同年に供用された板付飛行場同様に、極端に市街地から近い利便性が売りだが、手狭かつ騒音問題等から移転が遡上に登っているとは勿体無い。 「ここは松山~」とこぶしを回す公資の唄声とともに充実した旅は終わった。

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