コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

7月23日(日)-2 走れバイシクル  -海外情報 - 台湾-

h976.jpg 鄙びた街並みや明媚な風光よりは判り易いギミックを好む性向からすれば、航路拡大の為に敢えて半島を旗津島として切り出し、その結果観光地化したと言われても必ずしも食指の動く響きではない。
 港からフェリーにて約10分、沖合いに小振りとはいえ駆逐艦らしきが停泊しているのは、行政区画としての旗津区が南沙諸島をも管轄していると聞けば合点がいくが、船着き場に降り立てば辺り一面に並べられたレンタサイクルに自然と足が向かう構造になっている。
h977.jpg 電導自転車と言ってもわが家も長年愛用し、屡々盗難にも見舞われて来た足漕ぎのアシストにあらず、ハンドルのスターターを回せば滑走する四輪車だから明らかにわが国法規に照らせば所謂原付に他ならない。事実、貸与時には運転免許証を預け入れるが、旧宗主国条項が働く訳でも無かろうから合法であるかは問うてはなるまい。
 ただ風力発電も設置される風の流れの良さの中、車道を滑走すれば猛暑も吹き飛ぶ快適さと同時にこれ自体が立派なエンターテインメントである。幾ら貝好きであっても貝殻博物館を繁々と眺める趣味は無いが、海沿いに配置された魁偉な貝殻のモニュメントはキッチュでこれ又絶好の絵柄では無いか。
h978.jpg ところが好事魔多し、調子に乗って風車まで足を伸ばしたのが運の尽き、俄かにスピードが衰えて来る。慌てて踵を返したものの復路迷って漸く商店街に辿り着いた頃には風前の灯火になって来た。充電が切れれば単なる重い箱、EVの悲劇を遠く台湾で体感する羽目に陥るとは露も想像しなかったが、一家四人総出で交替しつつ人力で漕ぎ尽くし命辛々船着き場に帰還出来たとは、子供達も成長を遂げた証しであろう。

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 東京タワーにしろスカイツリーにしろ、古来より虚空に聳えるタワーは人間の飽く無き上昇志向の象徴であるとともに、都市の位置関係を把握する為のランドマークでもある。
 事実、フェリーからも高雄85スカイタワーの偉容は際立っていたが、タクシーから拝察する限り途上には実用性に乏しそうなオブジェばかり至る処工事の嵐である。しかしながらいざ東京タワーとほぼ同標高の展望台にセットされた、眺めるべく光景を模した図番には、須く完成形が恰も現在であるかの如くに掲げられているではないか。
 地表には試験的に導入された路面電車がHOゲージの如くに蠢き始めてはいるものの、どうやらタワー自体も空き家が少なくなく、都市の活性化に向けた成長余力と見るか、単にバブル崩壊宜しく工期遅延による夢の残砂と受け止めるべきかは微妙であろう。
h981.jpg  近隣のデパートの2フロアを占めるフードコートにて又もや小籠包、目の前には大戸屋が鎮座しているのは日本映画同様に日本食への人気を物語っていようか。わざわざ午後の日射しが益々照り付けるなか徒歩移動を選択したのは、三多商圏駅に直結しているからに他ならない。
 ここからは敢えて地下鉄(左写真車内)に乗ってみた。切符の替わりにプラスチックの丸コインを投入する手法は印度も同じだったから亜細亜では一般的なのかも知れない。

 左営駅に帰ってきた。再びバーコードを翳すも改札に弾かれる。どうやら指定特急券は凡ゆる自由特急券の権能を内包するわが国と仕様が異なるのは、矢張りハイブリッド種故か。止む無くみどりの窓口に並ぶも指定は既に満席、では終点だからと自由への振り替えを求めると、あろうことか差額を返金して呉れるではないか。しかもご丁寧に一本早い次のひかりの時刻まで教授され、良心的かつ親切である。
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 いざホームに登り或いは大陸ならば血で血を争う席の争奪戦が繰り広げられようかと身構えたものの、皆整然と列を為し全くの杞憂であった。途中駅からは自由席の通路にも乗客が並び、日曜の夜とはいえ経営危機も憂えられながら先ずは順調な需要振りである。
 振り返れば確かに解説が無いので小ネタを仕込むには不都合だったが、何よりもコスト面から、また縛られず自由気儘な行脚という意味でも非ツアーは正解だったのではないか。

 台北に戻りその足で火鍋を鱈鰒喰らい、丁度隣のタピオカも賞味する。「世界発 現場でタピオカ作り」なる日本語のコピーも鮮やかだが、杏仁豆腐にしろ周囲の液体の甘さに相違して本体の味が稀薄な食物は苦手で、折角の台湾名物を哀れ残して仕舞った。いい加減便秘続きの胃腸が許容の限界を迎えていたのかも知れないが。

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