コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

7月23日(日)-1 地底超特急 南へ  -海外情報 - 台湾-

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 台北駅は国技館にも似た佇まいの堅牢洪大な総合駅舎である。昨日ホテルに草鞋を脱ぎ、ケアンズではレストランの予約迄もおんぶに抱っこだったJTBツアーデスクを真っ先に訪れたものの、あろうことか土日は人手が足りずチケット手配が叶わないとはとんだ喰わせものである。止む無く見る限りセブンイレブン2対ファミリーマート1の割合で点在しているコンビニの画面案内に従い、半信半疑で印刷したバーコードを改札に照らせば案ずるより産むがスムースに構内に滑り込み、見渡せば空港の如く近代的な造詣に対面する。
 折角なのでと大枚叩いた「商用」即ちビジネス=グリーンに居を据えると、程無く車窓にはわが国かと見紛うが如き辺り一面の水田が拡がり、僅かに彩る木々だけが南国モードを物語っている。
h984.jpg ただ都市部に一直線に線路を引いたからだろうカーブすら希少で、かの中国リニアの様に加速するに連れ増大する揺れに身に迫る些かの恐怖感も皆無であり、元よりわが国技術の高さの証明には他ならなくとも、とくに前半戦は隧道ばかりで観光路線としては物足り無さは否めない。
h975.jpg 何よりも路盤や制御システムは欧州仕様で出発し、上物だけJR東海が鳴り物要りで逆転受注した混血児にも拘わらず、グリーンにはパーサーがお絞りを運び、前席の背中には"台湾のウェッジ"と囁かれているかは定かで無いが雑誌が据え付けられる、グリーン車のサービスまで完全に瓜二つで、視察対象としては物珍しさに乏しかったと言うのは無いものねだりだったか。

 台湾第二の都市、高雄が先住民族の地名の音にわが国統治期に宛字で高雄の字を誂えたエピソードは有名であろう。
 しかし観光バスが我々を待ち受けてはいないので、逡巡もせず行き当たりばったり向かったのは蓮池潭であった。いきなりジグザグの廻廊を亘り龍の胎内を潜り抜け、五重の双搭の片割れに登り文字通り蓮だらけの湖面を睥睨すれば、吹き去る風が快適である。今度は虎を通って元に戻るのだが、龍虎だけに「おいしいですね」と呟いてみても最早わが国でも通用しない呆けだろう。況んや高雄においておや。
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 東洋人ですら異国情緒を掻き立てられる絶好の撮影スポットであり、絵に描いた様なエキゾチズムは貴重な観光資源に他ならず、少し歩けば今度は横たわる龍が我々を待ち受け、幾分小振りな双搭に観音様までトッピングされた春秋閣が現れる。遥か向正面には得体の知れない巨大な神様も鎮座しているのが伺えるが、惜しむらくは日照りが強過ぎて到底徒歩行軍に及ぶ気力は湧いて来ない。
 しかしこの広大な空間は何等かの宗教性を帯びているとしか思い難いものの、かの関羽雲長を祀る廟こそあれストレートな神社仏閣の類は誂えられていない。或いは土着信仰とはかく形而上のアイテムに囚われない仕立てなのかも知れない。

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