コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

7月22日(土) 神は隠さず  -海外情報 - 台湾-

h965.jpg  朝8時にわが家を出立し、現地時間13時には台北に降り立っているのだから、凡そ半世紀に亘るわが国統治という事実を措いてなお台湾は掛け値なしに近しい国である。
 想えば2011年のグアムを皮切りに、バリ島沖縄ハワイ北海道パラオ、そしてケアンズと、祐旭が受験生だった2015年を除いて外地や海外に赴いてきたが、実に非リゾート地は初めての選択であった。
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 辺りを見渡せば多少なりとも郊外なのだろうか、亜細亜風と言うよりは疎開の如く、蘇洲夜曲の奏でが似合いそうとの感想は明らかに年代的にそぐわないものの、スクリーンに映し出された様な光景が散見される。しかしながら程無く中心街に至れば絵に描いた様な先進国が現れた。

 従って極めてオーソドックスな家族旅行宜しく名所旧跡からスタートする。孔子廟は公資の命名の由来のひとつ、と言えばルーツを探る道程の如く美しかったが、実態は全く無関係である。とは言え大陸の菅原道真として太宰府の替わりに受験生が詣でるには相応しかろう、何故か客引きに極めて積極的なお札の即売ならぬ即書コーナーにて公資は当然「学業精進」、祐旭は「夢想成真」と若干叙情フォークの如しだが認めて貰う。
 続いて定番中の定番の龍山寺は、東南亜細亜の上座部ほどではなくとも、仏教ながら多分にアミニズムが移入された様な混淆振りには面喰らうものの、寧ろわが国の佗び寂びを極め華美とは対極に位置する寺院の方が世界的には奇異なのかも知れない。 丁度夕刻の日行のタイミングだったのか参拝者が須く南無阿弥陀仏を、読経と言うよりは賛美歌の如く吟い続けており、祭り宜しくハレの空間を形成するのもまた日常に同化した宗教の有り様なのだろうと得心しておいた。

h968.jpg  夕刻からは早速バスに揺られて約一時間の小遠征である。わが国統治時代の金山跡が由来であり炭鉱の街同様に思い切り寂れた後に、急傾斜故の段差豊かな斜面地建造物群がレトロな風景として映画のロケ地として注目を集め、結果的に観光地として一斉を風靡することになった波瀾万丈の地、九份である。
h969.jpg  加えて映画「千と千尋の神隠し」の舞台とのまことしやかな風説が流布され、スタジオ・ジブリからは公式に否定されているものの現地では敢えて噂が拡がるままにしているのだろう、今やわが国の台北観光最大のメッカとなっている。
 亜熱帯気候故に油分豊かな調理が好まれ、それを中和する為の居並ぶ茶店もまた台湾のアピールポイントのひとつだが、「泣かないで~」と館ひろし氏を気取りながら中国茶を啜る嗜好は無いものの、多くは中華料理店もまた兼ねているから混まない内に小籠包にあり付く。焼売は崎陽軒を至上に仰ぐ一方で、餃子はみんみんも正嗣も拘りなく平らげる私も小籠包には疎遠であったが、明らかに本邦より美味に感じられるのは本場たる先入観の為せる業だろうか。
h970.jpg 勿論、湯婆婆の館のモデルとされている阿妹茶酒館やその向かい合わせで絶好の撮影ポイント、海悦楼茶坊は混雑の極みなので別の店舗だったが、幸便に四階窓際の席に案内され、台湾麦酒が薄くて夫婦共々恐ろしく口に合わなかったのを除けば、夕暮れの海を臨む絶景に早速祐旭も携帯の待ち受け画面に採用しており、常日頃の如く満腹中枢を惑わせるが如く過剰な注文に散財するのであった。 ただ何れも煌びやかな、有り体に言えば派手な仏閣二者に対して、確かに日本人が好みそうな情緒性に富んだ趣きには違いないが、逆に言えば必ずしも中華イズムらしからぬ風情であり、これが台北最大の観光資源とは間釈が合わない感無きにしもあらずではあった。

 ツアーの起終点がマッサージ店なのはJTBの策略だろうが、見事に乗せられて揉まれて帰る。元より観光客向けだから台湾式を称しても過剰な痛みは伴わないが、泰王国の様な安価には程遠い。観光客料金と言えばそれ迄だが、総じて物価は高く、逆に観光スポットが何れもロハだったのは産業としての観光立国に未だ潜在成長域を残していると読むべきなのだろうか。
 ただ振り替えれば結局この初日の夕刻が最初にして唯一のツアーとなったのは意外な展開だった。

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