コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

6月21日(水) なが~く愛して  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

h946.jpg  コール元独逸首相が亡くなった。氏とミッテラン仏大統領の巨体と鉄の女サッチャー氏は初期サミットの代名詞であり、わが国と伊太利亜ばかりが煩雑に交替して形見の狭い想いをしていたのも今や昔、翻れば安倍総理が二番手とは隔世の感があろう。
 ただ先任首脳は矢張り独逸のメルケル氏であり、そこにはワイマールの教訓から長期政権を担保する制度設計の知恵が秘められているのだろうか。確かに後継首班を明示した上での建設的内閣信任案の否決が無い限り下院の解散権は制約されている。
 勿論、嘗てわが国においても戦後間も無く、解散権は内閣不信任案の可決に依る所謂69条解散のみ是認されるとの憲法解釈に基づき、敢えて不信任を成立させた吉田内閣の話し合い解散の例同様に、独逸においてもかく便法を用いて任期満了前に総選挙を実施した事例はあるが、英国においても等しく解散権を大幅に制約する法改正が為され、にも拘わらずメイ首相による任期半ばの総選挙が予想に反して与党の敗北に終わった事例は記憶に新しかろう。
 だからわが国も来年末任期満了に憲法改正の国民投票と同時に総選挙を設定すべきと結び付けたくなるが、実際にはそれは戯れ言に過ぎない。と言うのも戦後わが国において総選挙の結果を受けた総理の退陣は三木、宮澤、麻生、野田の四例に留まり、他方参院選の敗北に起因するケースも宇野、橋本、第一次安倍の三例を数えている。
 これに匹敵する党総裁任期の満了乃至は再選出馬の断念(中曽根・小泉、鈴木・海部)が、任期の二年から三年への延長と三選解禁によって著しく蓋然性が低くなった今、詰まるところ長期安定政権の樹立は、参議院選挙を政権選択に用いないというコンセンサスに懸かっていると結論付けるべきではないのか。
 それを与野党の意識改革という慣習法に委ねるのか、或いは憲法改正をも視野に入れた参院の権能の新たな制度設計を企図するかはさておき、畢竟、 歴史を学ぶとはそこから仮説を導き出し、現実を以て検証するのが保守の羊蹄であると、綺麗に纏めてみました。

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