コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

3月21日(火) おとなは秘密を守る  -テレビ・ラジオ - テレビドラマ-

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こちらは南軽井沢(02年)
 TVドラマを毎週心待ちにするのは何時以来だったろうか。確かに昨年の大河ドラマ真田丸は久々に完遂し、その勢いは直虎に継承されているものの、男顔の柴崎コウ氏を女城主に見立てる配役の妙こそあれ、残念ながら実年齢の割には容貌に老獪さが滲み出ていて、もう少し若い時分に演じていればとの落胆も打ち消し難い。またそもそも一年付き合う大河とワンクールのそれとでは瞬間的な濃密さには自ずと差異も生じよう。
 或いは竹内まりや氏の主題歌「カモフラージュ」が筋書きと共鳴して時代のヒット曲として後代に色濃く印象を残している様に、もしかしたら20年近く前の「眠れぬ森」が、最期だったかも知れない。元より往時は余程のマニアで無ければVHSに録画して鑑賞する様な行動パターンは稀で放映に合わせて帰宅しなければならなかったから、現在は非フリークの視聴者にも住み易い世の中であり、寧ろその層をターゲットとすることが可能になったからこそ『カルテット』の隆盛が斎らされ得たのかも知れない。
 四年前の『最高の離婚』もそれなりに真面目に見ていたから、坂元裕二氏という脚本家を認識していなかったのは失態ではあったが、ドラマとはたとえ小津映画の様に日常を題材としてもなお非日常を描くものであり、巡回する恋愛模様と昨今流行りのサスペンス要素を同居させた造りは現代的である。
 そして特徴的なのは随所に非日常の中の日常の細部を笑いとともに挿入している点で、例えば「唐揚げにレモン」のエピソードが再三登場したのはこの構成が視聴者にも受け入れられたことを示していよう。
 ただどうしても台詞回しが芝居掛からざるを得ず一歩外すと気恥ずかしさが先だって仕舞うが、それを補っているのが役者の表現力である。同時に弦楽四重奏による椎名林檎氏の主題曲と相俟って、テーマそのものたる音楽との親和性が花を添えていよう。
 更に言えば柴門ふみ氏由来との表現が正しいかはさておき、男女四人の人間模様を組み立てるに当たって、嘗てのトレンディ・ドラマが社会人の癖に遊んでばかりと揶揄された失策を糧に、敢えて閉ざされた空間を設定した舞台配置の妙も挙げられよう。 こうした脚本と演出、俳優、音楽家のアンサンブルこそが勝因であり、最終回は平板だったものの敢えて奇を衒わずハッピーエンドに纏めたのは、幾分の喰いたり無さこそ残っても後味は良かったのではないか。
h860.jpg  暫く火曜の夜はカルテット・ロス症候群になりそうである。

 嘗て阿佐ヶ谷の風呂で長らくアイスボックスに眠っていたのかすっかり凍り付いたそれを発掘して狂喜乱舞した、ガリガリ君のコーラ味が久々にコンビニに並んだ。
 長年の課題たる赤城乳業の工場見学は未だ実現していないが、秘蔵してあったガリガリ君パズルを解きながら賞味する。
 こちらにはとくに秘密はない。

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