コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

1月20日(金) 万歳の反対なのだ  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

h804.jpg  仕事柄国会に入る事態はまま生ずる。当然議面から手続きを踏んでもよいが自由度を確保する為に通行証を借りるケースも多い。幾ら探しても衆の宛先が見付からず衛視に訪ねたら何時の間にか参院に居たこともあったが、院の独立性から衆参各々の通行証は相手方には通用しないから無自覚に突破していたことになる。実は四階の図書館を通過すれば誰にも咎められず両院を闊歩出来るがこれは裏技である。
 とは言え永田町周辺居住者生活17年目にして開会式に赴いたのは初めてであった。元より爵位を次いだ訳でも高額納税者になった訳でもなく傍聴席だが、和装議連の面々は紋付き袴、留袖のみならず振袖まで現れ、本会議場の衛視も今日はモール付きである。
 旧貴族院である参議院本会議場には460の座席があるので概ね半数は議席指定が無いがこの日だけは全席自由、しかしながら衆参総員が集まるため後ろは立ち見である。昨年から共産党も出席に転向した為、論理上はより混雑していることになる。
 与党が自然に右翼に陣取ることも無いが中央一列は慣例として閣僚席、総理の隣に見知らぬ顔があるのは最高裁長官である。 やがて場内に一瞬にして静寂が訪れると伊達参院議長に先導され天皇陛下が入場された。日本国民としてお姿を拝謁するだけでも有り難いが、退位法が成立すれば通常国会への御臨席はこれが最期となろう。
 陛下のお言葉の前後に衆参議長は交替で玉座に進み出、陛下に正対したまま降壇するが、これこそが嘗て福永健司氏が高齢を理由にリハーサルを強要され議長辞任に繋がった「カニの横這い」、と政治フリーク的な感慨も訪れる。厳密には松本治一郎氏の拒否事件以降、正対時以外は臀部を晒さなければ可と改められたので横這いではないが、確かに高齢者が後ろ向きに階段を降りるのは危険に映る。
 帰路は大島議長が先導して厳かな儀式は約10分で幕を閉じ、今日だけは開放される中央玄関も閉鎖され、中央広間の四つ目の台座は再び空席になる。
 虚礼は確かに廃止すべきだが、これは虚礼ではない。

h803.jpg  段々と知能が衰えて経済モノは新書ですら読むスピードが格段に下がっているが、「通貨の日本史」は興味深かった。
 先の大戦までは日本三悪人のひとりだった足利尊氏が復権し、逆に建武の中興は「新政」に暈された様に、歴史に後代の同時代的な評価が反映されるケースは少なくない。
 つい二十年程前までの財政金融の最大の眼目はインフレ退治であり、過去の通貨政策もまたその文脈から捉えられていたが、寧ろマネーを増大させる試みへの憧憬が滲み出ている。
 現世が元禄太平記で無いが故ではあるが。

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