コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

10月12日(水) コアラなき一泊延べ四日  -海外情報 - オーストラリア-

h711.jpg  国内線の細い通路は飲料を運ぶワゴンが稼働すると前後不通に陥るが、恰も単線における列車交換設備の如くに中央付近の一列のみ前席との間隔が広く、膀胱を破裂させる窮地には陥らない。ただこの席を預かれば足は伸ばせても不定期に他人の尻か陰部かが眼前を遮るので決してお奨め出来まい。
 しかしながら凡そ一日半振りのシドニー空港では往路と異なり積荷をピックアップする必要が無く、楽チンを謳歌していたのが運命の別れ道とはビクトリア女王でも気付くめえ。
 メルボルンでのチェックインの間際、割れ物故に大事を取ってとスーツケースから鞄に入れ換えたワインボトルが、見事に没収トである。メルボルンで指摘されれば急ぎ引き返して収納する算段も組めたかも知れないが、分量が少ないと自ら毒味をさせられる議員会館に倣って係員に一杯如何ですかと薦める余裕も毛頭生じ無い。やむを得ず免税店でワインを調達し直したが、昨年送付代が矢鱈と高く付いたトラウマの反作用であり、そもそもワインが好きでも無いのに手を出す半可通が首を絞めたと言えようか。
h713.jpg  何とかラウンジに辿り着いて気を取り直し、僅か二日も経過していない羽田のVIPルームは遥か彼方の記憶と一同想いを馳せて再び787の人となる。帰路は今となっては当たり籤の左側一列席を獲得したが、同じCA御一行様に巡り合い彼等の勤務サイクルと同一の弾丸ツアーであったことに深く感じ入った。 深夜便は睡眠が必定であるからこそビジネスの効能がより活かされるとは言え、残念ながら映画鑑賞は制約される。
 それでも行きにはスケールがでかい割りにオペレーションはミニマムという、前作を踏襲したハリウッドらしい「インディペンデンス・デイ」の続篇と、早くもラインナップに乗ったシンゴジラ再び。帰路は世代的にはヒットして然るべきだが本編に親しんでいないと愉しめない要素もあったろう「スタートレック」、更に「植物図鑑」は野菜嫌いには共鳴し難いテーマだった。寧ろ睡眠を削っても鑑賞したい作品に恵まれなかったのは、体力的には幸いだったかも知れない。

h712.jpg  ケアンズを訪れた際、余りの高物価に新興国にありがちな観光客対応の二重価格を疑ったがそれは杞憂であり、事実国を挙げての物価高はわが国ならば与野党問わず泣いて歓びそうな最低賃金千円と入れ子の関係になっている。だからこそ労働集約型の製造業を放棄した結果、豊富な資源輸出に依ってなお貿易収支は赤字基調である。
h714.jpg  にも拘わらずサービスが黒字なのは観光、就く少々の物価高には頓着しない小金持ち層の需要があり、それを裏打ちしているのが暮らし易さというイメージであろう。多数の産業人口は必要とせず、物理的に移民の到来も考え難く、それがまた適度にハイソなコンパクト・シティを維持せしめる。わが国経済には全く参考にならないが、恐らくは人が余るか人件費が嵩めばワークシェアの方向に向かう、貧富の差が少なくなりそうな構造は朧気に理解出来た。
 時差が無いのも善し悪しで、5時には通関も出て議員二氏は永田町へ、同行の士は札幌へと旅立つ中、一旦家に荷物を置いて出社する。わが国はまだまだモーレツである。

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