コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

9月28日(水) 友情と打算の二重構造  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

h679.jpg  永田町周辺居住者に手を染めたのが21世紀の幕開けのタイミングだから、所謂「加藤の乱」はギリギリで純然たる野次馬として迎えている。従って、YKKが最も輝いていた時代そのものには立ち会っていないのだが、「Y」から直接薫陶を受けた世代を継承する立場に位置したことから、かの「YKK秘録」は大いなる畏敬を以て拝読したのである。
 既に幾多の指摘の通り、第一に驚愕するのはその記録魔振りだろうが、兎角平板に陥りがちな政治家本人の回顧録でありながら些か生々しいやり取りが克明に記されているのも興味を倍加させるのみならず、処々に座談の名手たる氏特有の語り口が垣間見られるのにはニヤリとさせられる。
 ただ自身謎解きをしてみせた様に2003年までで記述が終わっているのは、少なくとも「YとK」にとって最も華やかであったろうYKKの時代は氏の落選を以てひとつのピリオドを迎え、歴史と化したからこそ本日の出版記念会を前に黄泉路に就いた「K」の娘氏を挟んでの、突飛な譬喩ではあるがジェイソン・ボーナム氏を迎えたレッド・ツェッペリンに漂う喪失感と言うよりは、恰も同窓会宜しく程好く微温的な雰囲気に包まれたのだろう。
 世評、YKKとは往時の経世会支配の打破を旗頭とし、それはもうひとりの「K」によって郵政や道路公団の民営化という形に結実したとされるが、秘録にもある様に一期下で今もなお現職の「N」氏が加わっていた時期があったことからも実際には「反小沢」が本意だったことが解る。
 二度の政権交替、YKK側から見れば下野を経て、圧倒的な強さを誇った小沢氏の手に依る民主党政権を打ち破ったのは確かに「K」の系譜に連なる現政権であるが、それはもう秘録の記すところではない。畢竟、彼等自身にとってもまた強きものに戦いを挑んだ頃が最も愉しく充実したかった時分では無かったろうか。だがその功罪が明らかになるのは秘録の披瀝を経てなお、もう少し時間が掛かりそうである。

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