コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

4月9日(土)-2 島の風に吹かれて  -旅行 - 国内旅行-

h453.jpg  賢島カントリーを後に足早に向かうのは、宮内庁御用達の名門、志摩観光ホテルである。宿地となった賢島プライムリゾートも恐らくは何方か首脳の宿として用いられようが、矢張りサミット事前視察を標榜するからには華麗なる一族でも御馴染みのメイン会場を眼に焼き付けねばなるまい。
 生憎本館は改装休業中だが、流石の観光地仕様かタクシー運転手氏も手慣れたもので、間断ない道路工事と行き交う全国各地からの警察車両の網を潜り抜け、検問されてなお「視察の方です」と切り返し、驚く程スムースに新館玄関まで辿り着いた。
h456.jpg  事実視察には違いなく、現に下見の必要性が皆無とは言い切れないものの、長居するには手持ち無沙汰感は隠し切れず、ひと仕事終えた様な顔をして賢島駅へと歩みを進める。
 頭端式ホームに色取り取りの列車が並ぶ絵柄は終着駅らしい風情だが、正直なところ往路の長旅が想い起こされ些か辟易として来るのは否めない。ところが新型観光特急しまかぜに草鞋を脱いでその想いは一変する。行きの旧型車との比較云々の域を遥かに越え、先頭には展望車両、中間には完全個室と半個室のサロンが誂われ、我々も早速食堂車に陣取り酒と摘まみを片手に車窓を眺めれば、鄙びた田園風景も恰も「いい日旅立ち」を彩る絶好の観光資源に見えて来るではないか。
h457.jpg  確かにだからと言って賢島が近付いて来る訳ではないが、長時間を逆手に取って豪奢リゾート列車を宛て移動そのものをも旅の一資源として取り込むとは、流石に本家"しまかん"志摩観光ホテルを筆頭に賢島リゾート以下、萬各グレードに至る居留地を並べ、高級ゴルフ場もセットに一大観光拠点を築いた大近鉄グループの底力を実感せざるを得なかった。
 ひと頻りアルコールを満たして車内視察を終えた後は優雅にリクライニングする自席に取って返して爆睡する。元より実際には乗員を旧型車の半数に絞って尚余裕を齊す程度の旅客数に過ぎず、三編制のみ名古屋・大阪から一日一往復に留まる為、周到に旅程を組まない限り安穏と御利益に肖るのは難しい。
h454.jpg  アクセス路が限られる警備上の好都合こそあれ、皇祖天照大御神を祀る伊勢神宮あらばこそのサミット誘致であり、しまかぜの導入自体が式年遷宮と期を一にしたものに他ならないものの、改めて伊勢志摩の存在を少なくとも国民万般に知らしめるという意味で、たとえ決定から僅か一年ではインフラ整備に格段の効能は及び得なかったとしても、サミットの誘致の効果は決して小さくはなかったのではないか。
 そして経験則からその効能を察知したとしても、現実に伊勢志摩に赴くには地の利のある友人の差配が無ければかくスムースかつ、帰路におけるサプライズをも擁したおもてなしを戴く旅は決して成立しなかったろう。
 丸で出向時代が甦った様な二日間と旅を伴に出来た元同僚達に改めて感謝したい。

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