コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

2月19日(金) 書を棄てず街に出よう  -本・雑誌 - 書店-

h388.jpg  書店経営の危機が叫ばれて久しいが、実際に21世紀に入ってからでも小売店舗数は半減しているという。それは書籍そのものに対する活字離れ、紙からデータへの媒体の変化、ネット販売の隆盛と各ステージにおける三重苦の為せる業だろうが、書棚から溢れた書籍で部屋が埋まりそうな私においてなお新書の約半数はアマゾン経由に他ならないし、ブックオフ等による新古書の高回転もまた実質的な再販制への風穴として機能しているという意味で、新刊書店への打撃には違いない。
 ただそれでもなお書籍を実見して購入を判断出来るのはアマゾンのロングテールと好対象を為す意義があり、即ちその効用は書店側の品揃えの腕前如何に依ろう。取り分け2010年に高円寺駅北口に御目見えしたあゆみBooksには、程好いマニアックさに購買意欲をそそられ、使い勝手の良さから足繁く通ってきた。
 だからこそ今般、創業時明治期の称号「文禄堂」を掲げたリニューアルに際しては寧ろ期待よりも不安が先だったが、蓋を開けてみれば矢張りその懸念は的中したと言わざるを得ない。
 何より扉を開けばいきなり珈琲カウンターが鎮座在しこれだけでも開架部位の減少は確実である。加えて奥にはイベントスペースまで設けられ、通例は移動型の書棚が据えられてはいるものの、音楽・映画といった分野は大幅に縮小の上、中二階に文字通り棚上げされ、売れ行きが芳しくないのか新書に至っては最新刊以外は潰滅に近い。
h389.jpg  本を売るだけでは飽き足らず情報発信拠点を装おってみましたという意気込みは理解出来るものの、これではセンスの良い書店たる本務が疎かになりかねない。
 活字フリークには生き難い世の中。

 金利という果実が負を示すということは原物の現在価値が将来より勝ることを示している。勿論だからと言って一般預貯金の利息はマイナスにならないし、信用想像機能までもが縮小する帰結には陥らないのだが、結果として金庫需要が増しているという現実にはオイルショックでトイレットペーパーを買い漁るのと同じ大衆心理が伺われる。
 政府はマイナス金利の意味=人為的な過剰流動性期待を解説すべきではないのか。折しも「気まぐれコンセプト」の再セレクション版が発売された今、バブルは将来不安よりも現在価値を重んずる刹那的な享楽嗜好にこそ訪れよう。

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