コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

11月16日(月) 雨前の筍  -地域情報 - 名古屋・愛知-

h293.jpg  珍しく名古屋にて訪問と会議があり、丁度隙間になった昼は近隣で行われていた某先生の勉強会に顔を出しとそれなりに効率的な出張ではあったが、今更ながら驚かされたのは名古屋駅前のビルの林立振りである。
 伏見から栄にかけてが中核だったビジネス街が駅ビルと道を挟んでの毎日豊田ビルの竣工で繁華街とともに名古屋駅近辺に移行したと言われてからはや幾年、かの三菱伝統のネーミングを戴く大名古屋ビルヂングが丸ノ内と異なり改称されることなく高層化されたのに続いては、奇しくも"宅配絶望工場"チックな書物を新幹線の途上読み終えたところに、これも丸ノ内同様に旧中央郵便局の郵政ビルが竣工とは些か供給過剰に陥らないかと心配になって来る。
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山梨実験線(2006年)
 折しも2020年東京五輪への喧騒に左右されることもなくJR東海は2027年のリニア中央新幹線開通に邁進しているが、東京ー名古屋が40分で結ばれれば、全国組織の名古屋支店の類は相当程度出張ベースに置換されようし、愛知県全域が製造業の雄たる地位を占め続けたとして、東京との時間距離の短縮は品川駅海側の再開発部位の地価高騰には寄与しても、更なる名古屋駅近辺への企業人の、夜間人口の集積を誘うとは思い難い。
 確かに中央リニアは律令下に遡る東海道対中央道の文脈の中で、大規模災害におけるわが国大動脈の代替としても時宜を得たものではあろうが、よしんば北陸新幹線の福井以遠の延伸が成立して東海北信越ブロックとして糾合されたようとも、名古屋がその核になる保証はないし首都機能を代替し得るとも思い難い。
 一年余後にはもうひとつの駅ビルに北方の旧笹島貨物ターミナル跡地にも高層ビルが誕生し、高島屋の増床はじめ商業地も急増する。一方で嘗ての名古屋「五摂家」のひとつ松坂屋が転進する栄地区の地盤沈下は最早避けられまい。
 帝都一極集中と広域行政圏における中核都市へのコンパクト化を進めるのは成熟化した高齢化社会の当然の帰結に他ならないが、問題は当事者がそれを自覚し、複数の拠点を保持し得ない大多数の中核地の衛星部位はその恩恵に預かれないという宿命を、冷徹に受け入れ得るかであろう。

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