コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

10月7日(水) 隅田川の夜は更けて  -旅行 - ヨーロッパ旅行記-

h228.jpg  パリ来訪はウィーン駐在の父を夏休みのひと月強を母と訪れた二度目の昭和54年来、実に36年振りである。従って主な観光地はひと浚いしていたとしても、ほぼ御上りさんに近い。
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 そこで本日は定番コースをひと巡り、先ずは朝からパリ市発祥のシテ島、ノートルダムに見参する。残念ながら傴男には邂逅出来なかったが、寧ろステンドグラス溢れる内装やガイド氏に熱心に教授された12使途の見分け方よりも、その複雑怪奇にして多彩な様相を魅せる外観を四方八方から拝察したのが都市評論家の歓心には叶っていたろう。サンテミリオンでは蝋燭の替わりに一本幾らで釘を打ったが、セーヌ川を跨ぐ凡ゆる橋梁にはカップルが願掛けの錠前を括り付けている。過積載で禁止された地域もあるそうだが、男三人でこれ以上絆を深めても仕方あるまい。
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 オリジナルの自由の女神に拝謁して公園の突端に位置する上院の周囲を散策し、次いで下院を車窓から眺めるとは永田町に棲息する一群らしき行動だろう。銃を抱えた警備員は憲兵というよりは近衛兵の呼称が相応しく見受けられる。折しもわが国では内閣が改造されメールの対応に追われたが、議面らしき入口が見付かっても当然記章では入れてはくれまい。
 ただ下院に差し掛かる辺りでガイド氏が「あの三人組の風体は危ない」と解説した直後に当の若人が不穏な動きを見せ、経ち処にパトカーが現れて引っ立てられたのには畏れ入ると言うべきか、水も安全も只でない社会における自衛の為の勘所の意義を窺い知らされた。未成年者として放免される予定調和の犯罪とは国家も社会も救われないが。
 愈々オーシャンゼリゼへと闖入するも渋滞なお激しく、観光旅行ではなく国際会議随行後の視察たるを装う為にも自動車会社のショールームへと一旦待避するが、議員の属性には博覧強記であっても車に付いては御手上げである。更に昼はボルドーでもニアミスした元上司とITS世界会議談義たる口実には事欠かない昼食懇談と洒落込むが、文豪が再三訪れたビストロで軽め軽めを心掛けながら、学習能力無く莫大な残飯を築いてスラムの充実に一役買うことになる。
h257.jpg 午後はバブル期の金萬家には及ばぬものの妻への土産としてヴィトンのバッグを漁り、慣れないブランド買いに気後れして財布も買わされそうになるところを耐え忍んだ上で、途上には幾分悪趣味ではあるもののかのダイアナ元妃の謎の事故死のトンネルを経由してエッフェル塔を定番のシャイヨー宮方面から臨んだ。電波塔として命脈を保ったものの当初は仮設のパビリオンだったとは驚くが、革命百年の万博が如何にパリの街作りに重きを為したかの最たる証明でもあろう。
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 高円寺南にもその名を残すエトワール凱旋門は気力を振り絞って螺旋階段を登り切り、四方八方への放射街路を一本一本見分する。遠く臨む新凱旋門は更に一世紀下った革命二百周年記念であり、ミッテランの社会主義二期目の治世を祝ったものではない。幸い降路はそれ程膝は笑わなかった。
h260.jpg  そして丘を登ってモンマルトル、画家の玉子が群れなしてと散々喧伝されながらいざ到達すると波平氏の髪の毛ほどに疎らで拍子抜けした幼少時の記憶が残っているが、今や縁日の露店の如くシマ毎に画家が犇めきすっかり観光地化されているのには驚いた。
 相次ぐ渋滞は一面適度な休息として寄与してはいるものの、結局地球の歩き方のグラビアを占める様なメジャー・スポットに留まり、追加のワイン購入を経て帰投した。

 そして昼のパワーランチに続いては視察らしく夜もゲストを迎えるが、セーヌ川から再び眺めるノートルダムの、朝方モンマルトルの壁画で御目に掛かった通り、わが方ははや最期の晩餐である。
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 ポンポン船に天麩羅を揚げる油を乗せてという風情ではないが、屋形船を摂遇ソフトとパッケージで輸出したら存外に好評を博すのではなかろうか。わが国では見えない新橋の欄干を潜るのも一興だろう。
h240.jpg  折り返し地点からは自由の女神とエッフェル塔のツーショットを拝むが、午前中拝察したリュクサンブール公園のそれがオリジナルであり、こちらは又しても革命百年記念にニューヨークから逆輸入したものという。福留アナの「パリに行きたいか」とのシュプレヒコールが聞こえそうだが、現代の若者には更にレプリカのあるお台場の光景の方が馴染みがあるのかも知れない。
 些かワインを飲み過ぎた様でへべれけになった。日本酒より酔いが回るのはそもそも体質に合わないからか、或いは屋形船の揺れに依るものか。この旅のオーラスにして初めて、宿のベッドに衣装も解かず突っ伏して仕舞った。

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