コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

10月6日(火) Japanese Gentleman Stand-up Please  -旅行 - ヨーロッパ旅行記-

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 今日も朝食には炒り卵と自ら熱湯に浸す茹で卵を賞味して、昨夜詰め終えたスーツケースを抱えてロビーに現れるが、危うくも変電器を取り残したことに気付いてとって返すとドアが空かない。初日から動作不良だった鍵がお釈迦になった模様で、だからと言ってホテルマンが飛んで来ないと苛立っていてはかの国の賓客としては失格なのだろう。
 矢鱈とラウンドアバウトだらけの行程とも遂にお別れ、確かに通行が一定量を越えなければ合理的だが、土地の狭い都市部には見合わない。それでも今日はスムースで一旦市内のホテルに荷を解いてなお、20年来の最大のイベントたる日本ブースの開幕テープカットには相当に早い。
h220.jpg  そこでルーブルもかくや彷彿とされる異様に横長の展示開場に正面玄関から乗り込むとひと足早くご高覧のスタートである。京城五輪の最中にも建設を続けていた北のメイン競技場とは言うまいが、昨日までわが国ばかり準備万端だった各ブースも何とか形になっている。展示開場に倣った訳でもあるまい関係者総出演、横長の賑々しきテープカットを挟んで高覧が続くが、自動車並びに関連部品製造業の顔触れに溢れ、見知った同胞に遥か長征幾千里巡り合うのも新鮮である。
 ただ始まりが繰り上がった分、随分と長時間になり、金魚の糞宜しく群れ為しパチリとファインダーに収めては移動まで手持ち無沙汰を繰り返すお付き供には立ちんぼが辛くなってくる。
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 ところがそこは拾う神あり、昼食会場への先乗り役を宛がわれたのをこれ幸いと勇躍徒歩行軍し遂ぞ乗車の叶わなかった、架線の地中化された路面電車も間近に拝察する。想えば夜半の市街では芸術的に隙間なく路上駐車された時間貸しの電気自動車にも対面したが、ふと道路を挟んで向正面に目を遣れば自動運転擬きの車両が二台交差しているではないか。元より路上に埋設された磁気ネイルらしきに鑑みれば既に十余年前わが国にて恒久ならずとも商用化されたものと大差ない。ただどうやらNAVYAなる社の実証実験車が運転手なしで公道を彷徨っており、話題の自動運転を含め街中にITSらしさを醸し出すギミックを存在確認して「世界大会」風情を賞味したと言えようか。
 最後までワイン片手に前菜を皮切りに山盛りデザートまでのコース三昧を完遂した昼食が例年通り最終行程となり、荷物を拾って空港へと向かい、ITS世界大会随行たるお仕事は今年も慌ただしく幕を閉じるのであった。
 ボルドーでの自動チェックインに悪戦苦闘していても誰ひとり係員が群がって来ないのは、昨日のストの余波にはあらずエールフランスの常套なのだろう。

 昨年の本日程後は自動車と野球の旅だったが、今般はアタック・チャンスの狙い目を黄色く点滅させなくともパリが私を待っている。
h225.jpg  ところが空港からの途上、割り込み放題の渋滞を回避して敢えて危険地帯に突入したのかも知れないが、昼間から手持ち無沙汰で路上に佇む髭面の男供に溢れる、有り体に言えばスラム擬きの街並みに華やかさから一転パリの暗部に直面した想いになる。
 帝国主義的植民地政策は国際会議における旧宗主国への忠誠には寄与しても、移民への門戸開放という十字架を背負い、色濃い社会主義政策が彼等への負担無き給付を正当化せざるを得ない悪循環を生んでいる。かく治安が悪化すればコンビニや自販機なぞ成立する訳もないし、極右政党が台頭して自るべきだろう。島国たるわが国の僥幸に異教徒でも十字を切らずにはいられまい。
h227.jpg 勿論、渋滞は治安に依るものには留まらず、端から車庫証明の無い国では路上駐車の嵐の上に、路面電車の再導入、バスレーンの厳格運用、更には歩道の拡幅と相次ぐ公共交通機関優遇策の人為的な結果であり、幾ら原発大国に小型かつディーゼル主体の自動車ばかりでもCOPパリに向け更に二酸化炭素を増しそうな勢いである。
 おかげで夕食は思い切り急ぎ足になったがそれでも立派なデザートまで慌て平らげ、花の都の宴に邁進する。パリの音楽と言えば越路吹雪氏のシャンソンか、加藤和彦氏の欧州三部作のひとつ『ベル・エキセントリック』、後は「シェリーに口付け」ミッシェル・ボルナレフぐらいだが、哀しいかな赤い風車のムーランルージュに折角足を踏み入れながら、ステージに90度正対するかしら右状態が続いて如何せん頚が痛く、疲労による頭痛と相俟って睡魔に襲われ、フレンチカンカンの電話は二番あたりで覚醒したものの陰部が布に秘められていのを確認して再びうつらうつら。古式ゆかしいキャバレーの健全な、喜劇あり曲芸あり猿翁擬きの宙吊りありのトップレス・レビューは断続的にしか記憶に残っていないのも致し方の無いところか。

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