コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

10月3日(土) 再び、海を渡る  -旅行 - ヨーロッパ旅行記-

h201.jpg  朝7時にわが家を出立する。昨年デトロイトの丸半日に対し今般仏国は七時間の時差であり、論理的には機中の人になった瞬間から数時間眠り、現地の朝に合わせて目覚めるのがベストだが、人体はそう旨くは適合すまいと睡眠時間を抑えるべく心構えを抱きつつ成り行きに任せることとする。
 便秘回避の為には寧ろ食欲旺盛に上から肛門を圧迫すべしと悟った訳でもあるまいが、既にラウンジの時点でカレーに稲荷寿司を摘まむとともに日本酒を煽り、更に機内でも飲み続けた。それでも結論から言えば実に六本の映画を観賞し続け、幾分うとうとはしたものの結果オーライの時差解消に資したのが、堤幸彦監督の「イニシエーション・ラブ」と「ビリギャル」という大作には程遠い、芸術家には商業主義と揶揄されそうな二作品であったのは、現代日本映画のキッチュさがわが身の丈に合致しているのだろう。
h202.jpg  しかし何よりも驚いたのは初見参のボーイング787の構造ではなかったか。ビジネスも席が傾斜配置となっている777と異なり縦一列であり、両窓側についてはフルフラット化する座席と後列の足の上に位置する棚を交互に配置することで省スペース化を実現している。一方で中央には二席が置かれ窓側席の棚の分量を二人で分け合う形になるので幾分与えられる空間が少なくなるが、この程度なら運不運で済まされるレベルだろう。
 問題は中央二席の後ろであり、足を伸ばす為に窓側同様に互い違いにするには棚のあるど真ん中に椅子を安置しなければならない。詰まり前席の二席分が棚になり、荷物置場という意味では窓側の倍、中央二列席の実に四倍が齊される上に左右双方から出入り出来る思い切り優雅な席が誕生する。そして栄冠は我に耀きではないが、著しく予約が早かった訳でも無いのにその座が与えられたのである。
h203.jpg  既に一部では「王様席」の呼称が定着している様だが、まさに左前方の侍従席の御仁に交替しませうか、の気遣いが喉元まで沸き上がったものの、圧し殺して有り難く王様ゲームの悦びに浸った。王様にだけ足元にマッサージが付いていたりはしなかったことを、羨望の眼差しを浴びない様に申し添えておきたい。

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 芸術性には高くとも複雑怪奇なシャルル・ド・ゴール空港(上写真)内をシャトルで亘り政府高官ご一行と落ち合い、暫しの待機が予想以上に所在なく、ならばTGVで移動すれば良かったのになぞと軽口を叩きつつ再び機中の人となる。目指すはボルドー、夜半の空港の明荷ターンテーブルでは早くも巨大なボトルにお迎え戴き旅モード満載だが、これもお仕事である。 郊外のリゾートホテルに草鞋を脱いで深夜の夕食では早速にワインを開ける。31時間の長い初日は漸く幕を閉じようとしていた。

 この日、わが家は運動会であり、残念ながら父は二年連続で欠場となった。
 聞けば祐旭は騎馬戦の馬として最後まで勝ち残り、組立体操では父の思想を反映してか最右翼の礎となり、果た又入場行進では若人のプラカードを担ぎと、日頃勉学に明け暮れる鬱憤を晴らすが如くに八面六臂だったらしい。
 取り分け徒競走において苦節六年、幼稚園から換算すれば九年目にして遂に一等賞を獲得したのは、わが家の遺伝的特質からすれば実に画期的な事件だろう。
 一方公資は疾走は望めなかった替わりに阿波躍りに奮闘したものの、日頃の評論家気質から今般もそれなりの立ち回りだったと聞く。
 同じ一貫校に進めば三年後に再び両者共演が臨めるかも知れないがさて如何に。

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