コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

8月15日(祝) 早く王様になりました  -学問・文化・芸術 - ミュージカル-

h153.jpg  「最早夏休みでない」祐旭の長い夏、恐らく唯一のビッグ・イベントの栄誉に輝いたのはライオンキングであった。
 剽窃とオマージュの相違は紙一重なのかも知れないが、かの激情家たる手塚治虫氏が自らのジャングル大帝レオが大家ディズニーに翻案されたことを寧ろ肯定的に受け止めたのも牧歌的な時代のエピソードだったろう。
h156.jpg  ただレオが丸で創業時の西武ライオンズ宜しく大人になる迄の過程こそ幾分長くは感じられるものの、何よりも感嘆を禁じ得ないのは鯛や鮃ならぬ麒麟に象、縞馬といった端役キャラクター達の発想に富んだ造形ではなかったか。
 漫画やアニメーションの形で動物を擬人化するのは難しいことではないが、ことそれを人の演ずる舞台に置き換えた場合、当然動物そのものの形容は不可能であり現に主要キャストの中でもミーアキャットに実物比の体格差から推察される愛玩対象たる存在感を直接に視覚に訴えることは叶わない。だからこそジャングルを構成する物言わぬ純然たる動物を、所謂着包みとは異なる「衣裳」の範疇で表現することにより人間臭さを補う試みが舞台美術の妙と言えよう。
 絵に描いた様な勧善懲悪兼成長譚は古のディズニーの正統性そのものであり、嘗て大量のシンバのひとりを演じた祐旭も感無量だったろう。その際にも唄われた「早く王様になりたい」を口ずさんだ公資が何故この曲に馴染みがあるのか当惑していた展開に鑑みれば、三歳児の記憶はとくに耳に敏感であったということか。
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若かりし祐旭6歳の王
 父ムファサの弟、悪役のスカーが妙に黄門様ご一行の飛び猿に似ていたのは、剽窃とは無縁だろうが。

 帰路は浜松町への導線上にあるハマサイトで寿司をつまむ。近隣の汐留シオサイトの二番煎じだが、こちらにはまだ著しき再開発の波は訪れておらず、凡ゆる飲食店には「四季チケット持参で一割引」の看板が掲げられている様に、オフィスの閉まった土曜は恰も四季専用食堂の如しである。
 中曽根総理に立ち居振舞いも指南したという浅利慶太氏去りなお春夏秋冬、今日で全ては終わらない様である。

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