コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

7月14日(火) 太陽は泣いている  -アニメ・コミック - 漫画の感想-

h125.jpg  某先生から「夏休みの課題図書に」とお題を戴いた漫画「太陽の黙示録」全26巻を読破する。
 東日本大震災を予言したとの触れ込みだが、かの小松左京氏の「日本沈没」を土台としているのは間違いないものの、「沈没」が文字通り大地震という災害における悲劇を描いているのに対し、沈没からの復興に主題を求めたのが現代風なのだろう。
 米中のパワーバランスの下に非武装という大義名分を以て対抗する様は、和田博雄、勝間田清一両氏以来の革新官僚の流れを引く元日本社会党委員長・石橋政嗣氏の歴史的著書「非武装中立」を想い起こさせ、現に自給自足の原始共産主義に収斂していくが、恰も人間の楯の如くに国民をメディアに曝して国際世論に訴えかける戦術は功利的で現実的な信用には足ろう。
 ただ三國志宜しく鼎立が成立しても、所詮常任理事国相互の対立により機能しない国連を、国際世論の仮想現実としての拠り所として仮託する国連中心主義の亜流に過ぎないという意味では、徒らにユートピアたる国連を崇め奉る訳では無くとも戦後わが国らしい国際社会性善設に則っていよう。
 そもそも「日本沈没」は大和民族を諸外国に移住させ将来の再興に望みを託す過程に主眼が置かれているが、同時にそこには出エジプトの如く法難の日々を味わうならば寧ろ華々しく散って後世、日本国民かくありきの歴史が語り継がれるべきという滅びの美学の思想も色濃く伺え、詰まるところ再生特区日本もまた再生を謳いつつ国際紛争にあたっては玉砕の誘惑に抗し切れないロマンチシズムに依居しているのでは無かろうか。
 翻って標題の「太陽」とは何かである。安直に連想されるのは「太陽を盗んだ男」であろう。即ち小型原発を擁して政府を脅迫し被曝により死に至る爆弾犯の物語である。作中、再生特区の経済的なカードとしてはレアメタルと魔法のバクテリア・フェニックスが示されているが前者には量的な、後者には質的な限界は否めない。全くの想像に過ぎないが構想段階では太陽とは原発であり、これを再生特区のエネルギー源とするとともに恰も北の国の如く原発の安全管理を楯に国際社会に合口を突き付ける筋書もあり得たのではないかとも夢想される。ただ何等かの理由で原発は主役の座を降り、それがまた逆説的に東日本大震災の予言たる解釈とも符号する。勿論、福島県は中国支配下のノースエリアの管内ではあるが、切り札たる原発をオミットしたからこそ非武装中立という前時代的な解決しか見出ださざれなかったと考えるのも課題図書への感想文らしいだろうか。
 幸い再生特区に登場する高円寺は沈没しなかった様で、武蔵野台地の有り難みを痛感したというのは余談である。

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 V9巨人のエースと言えば堀内恒夫現参院議員に他ならないが、ペナントレース・日本シリーズを通じて胴上げ投手に実に9度も輝いたのは左の高橋一三投手である。
 堀内氏すら一度切りの20勝に二度到達しながら活躍が隔年毎だったこと、75年の長島巨人最下位に瀕して張本獲得の為に日本ハムに放出されたことから印象が薄くなっているが、ひとつ年下の堀内氏が79年以降急速に衰えたのに対し、81年には14勝を挙げ日ハム優勝の立役者として復活している。
 余力を残しながらこれも堀内氏とともに83年限りで現役を退き王巨人に指導者としてカムバックしたが、日ハム球団が後の大島康徳氏の様に生え抜きでなくともフライヤーズ在籍よりは他球団から長く日ハム在籍したOB路線を目指した際には監督候補にも擬された。
 更に2004年の堀内内閣においては二軍監督に就任。文字通りの堀内一三政権が誕生したのは両氏の名前を勝手に戴いた私にとっても感慨ひとしおであった。
 御冥福を御祈りしたい。

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