コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

5月1日(金) ひとり ぽつんと 佇み  -グルメ - 日本料理・寿し・割烹料理-

h19.jpg  そもそも偏食著しき身柄には学校給食は毎日が地獄だったから、鯨の竜田揚げに特段の郷愁は覚え無いし、子供心にも何故に代用獣肉でお茶を濁されなければならないのかと憤りを抱いた記憶はあるということは、美味に感じた訳でも無かろう。ただ学生時代には渋谷に今も健在なくじら屋を度々眺めていたが、ジンギスカンが現在ほど市民権を得る前、羊や馬よりは余程鯨肉の方が自然に受け入れられていたのは事実だろう。
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こちらは通常のカレー、色が異なるか
 実際にはわが国は多勢に無勢の国際潮流に押され88年からは商業捕鯨を中止し、「鯨一頭で選手の給料ごとき」と宣った中部謙吉オーナー、究極の道楽ゴルファー中部銀次郎氏を擁した大洋漁業が屋号のマルハに商号変更するとともにホエールズがベイスターズに改名したのが93年となる。食材としての鯨は日々肩身が狭くなり、21世紀に至る時分には鯨料理を賞味するのは禁酒法下のアルカポネ一味宜しく、敢えて脱法行為に挑むカリギュラ効果に支えられて来たと言っても過言ではなかろう。
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こちらは"鉄"のくじら
 確かに安価かつ容易に牛や豚肉を入手し得る現代において、それを禁秘とすべき戒律も存在しなければ敢えて鯨を食する謂れも無かろうが、鯨の大量発生が寧ろ生態系を歪めかねないとの指摘の是非はさておき、古来鯨肉調理の文化があるならば他国にそれを禁止申し渡される必然性があろうかとの疑念は残るし、些か乱暴な議論ではあろうが嘗ての成田や昨今の原発同様に捕鯨がリベラルの装いを纏った反政府活動のアイコンと化しているならば由々しき問題である。従って自由民主党が党本部食堂において鯨食を供与しているのは自国文化の継承という意味で示唆に富んでいる。
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今は亡き浅草の勇新にて
 勿論、二リーグ分裂に伴い誕生した大洋ホエールズが当初下関を本拠地した様に捕鯨は山口県を根拠地のひとつとしているが、寧ろ昨今は古式捕鯨発祥の地であり竜田揚げを郷土料理とする和歌山色が強く、それを体現するメニューには違いない。
 であったとしても昼のカレーは第三代総裁・池田勇人以来の伝統であり、ならば派閥会合の集中日たる木曜でも良さそうなところ、帝国海軍由来の金曜に鯨カレーを竜田揚げとともに提供するとは味な振る舞いではないか。
 自民党本部のカレーは600円、消費増税に伴い610円とこの種企業・団体併設食堂にしては決して安価ではないが、議員には前夜から寝かして配膳する為一般購入より美味との都市伝説もある。明瞭に体感出来るまでに大量の鯨は混入されていないが、通常のカレーより辛味が強く税込110円分の付加価値は別の意味で是認出来るものと言えようか。

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