コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

4月6日(月) プレゼントの山 埋もれもがいても  -ヘルス・ダイエット - 検査・治療-

g997.jpg  会社の診療所から矢鱈と電話が掛かってくると思ったら再検査の通達である。先方も職務とはいえかねてから検査を強要する余り却って体調を崩しかねない杓子定規さには閉口していたが、医者の所見開陳の場さえセットすれば後は野となれとばかりに度重なる確認で患者の不安を煽るが如く物言いは、たとえ医務職ではなかろうとも医療に携わる身の上としては不適格ではないか。
 それでも深刻にならぬべく敢えて高を括っていたが、いざ医師に面会すれば右肺にポツンと白い点が認められ、一刻は争わないが大学病院へとの改めてのお達しに、何を疑われているかは明白なだけに、取調室で追い詰められた容疑者の如しである。勿論、肺に影ありの再検査で無罪放免となった事例は枚挙に暇ないから恐らくは大事に至るまいとの類推は働くが、定期検査で発見される様ではとの悪魔の囁きを完全に否定することは出来ない。
g996.jpg  かくして一抹の疑念を抱えながら本日の診察に至ったが、先ずは呼吸器専門の産業医氏に親元で再び見えると、患者に丸見えな電子カルテを考慮してだろう「物騒なことですが」と笑顔で「肺癌の疑い」と記載されれば、予想していた展開だから小便ちびりそうには至らずとも戦慄が体内を駆け抜ける。
流れ作業の大学病院らしく検査室に回され人生初のCTに、ベースロード電源重視派としてこの程度の放射能は許容しなければと軽口を叩く気力も段々と失せてくる。再び診察室に戻れば扉が開き順に名前を呼ばれる瞬間が恰も刑場へと誘われる最終宣告の如しと言えば大袈裟だが、長い待ち時間に段々と目眩が襲ってくる。
 そして運命の一瞬、「大丈夫ですね」に全身の力が抜けた。「大分食道が開いてます。逆流性食道炎に気を付けて」との間抜けな御宣託に、「こちとら承知の介」「あんたは消化器専門じゃないだろ」などと突っ込む気力も湧いてこない。考えてみれば単なる医師の見立て違いに過ぎないのだが、思わず「ありがとうございます」と頭を垂れて仕舞うのは権威に弱い国民性の為せる業か。
 夢遊病者宜しく言われるがままに会計を済ませ、写真を受け取り、虚脱したままビックカメラを回遊して家路に着く。この顛末を如何に面白可笑しく騙ってみようかと、漸く機能し始めた頭脳を少しだけ働かせながら。

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