コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

3月22日(日) ナイアガラ・ムーンがまた輝いて  -音楽 - J−POP-

g980.jpg  リアルタイムで大滝詠一氏に触れたのはかの「A LONG VACATION」だが、厳密には「君は天然色」の間奏が「がんばれば愛」のメロディーと同一で、驚いて映画「がんばれタブチくん」のサントラ盤を確認して大滝氏作に気付いたのが、ファースト・ナイアガラ体験だったと言えよう。
 それは友人とコミック系ソングの自主録音に励んでいた小学五年時分から、YMOを経由しつつ歌謡ポップスにのめり込んでいく自らの音楽遍歴と期を一にしている。その反動だったのかも知れないが、大瀧氏が「ノベルティもの」と称する70年代の楽曲は馴染むには既に荷が重くなっていた。
 今般、毎年の恒例行事となっていた3月21日の周年記念再リリースの集大成たる「NIAGARA CD BOOK Ⅱ」の購入に及んだのも、メロディ・タイプ主体になった80年代以降の全アルバム網羅の謳い文句に誘われた為だが、併せてレコード・コレクターズの同BOX特集最新刊と過去の特集の抜粋本に加え、かの「分母分子論」はじめ執筆と発言に氏に纏わる文章を集めた「大瀧詠一Writing & Talking」と刊行が相継げば、財布の紐を緩ませるにも程があろう。
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写真はイグアスの滝
 実際、初版の「BEACH TIME LONG」や20周年の「EACH TIME」などCDそのものの所有は少なく大半はダビングであっても重複感は否めないし、同じアルバムでも再リリース毎に微妙に構成が異なり、「EACH TIME 」と「EACH TIME Single Box」の様に大瀧氏自身の手で繁雑に差し替えが行われた結果、解説書に基づけば検知される筈の相違も曖昧になっている。期待されたレア物も既に各周年版でボーナス収録されていた楽曲の寄せ集めで、御本人の突然のエンドマークがバラエティに富んだ内容たるに阻害となったのは否めなかろう。
 ただカラオケやストリングス・バージョンも盛り沢山の余り、逆に些かメロディアスに過ぎると感ずるのはファンの我が儘以外の何物でも無いがこうなると却って、混同しそうなタイトルだが提供曲を集めた「大瀧詠一 SONGBOOK Ⅱ」に溢れる音頭モノが懐かしくなってくる。
 想えば学生時代の最後に製作した友人のテーマソング「小樽の海風」が演歌というよりは音頭に近い曲想になったのも、強引に結び付ければ大瀧氏の思想が血肉となって発露された果実とも言えようか。
 「EACH TIME 」が遂に初版に回帰し「レイクサイド・ストーリー」の大エンディング・ヴァージョンが陽の目を見たのはまさにエンディングを示唆するものだろうが、恐らくまだまだ秘蔵されたままの楽曲は多かろうから、たとえ御本人の意向に必ずしもそぐわなかろうとも願わくばこれが最後のリリースにならないことを切に希望したい。

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