コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

2月8日(日) 公称56歳現役  -スポーツ - プロ野球-

 フリオ・フランコという特異な外国人選手の名が本邦職業野球界に畏敬を以て刻まれたのは、かのバレンタイン氏が最初にロッテ監督を勤めた1995年に長期ストに見舞われた米国から現役大リーガーとして来日し、外国人ながら主将的な位置を担ったリーダーシップにあったと言ってよい。
 是非は兎も角広岡GMとの確執から一年で帰国し、小宮山投手らの強い要請に応えて三年後に再来日した時点で公称でも不惑を迎えていたが、米大リーグに復帰し2007年には48歳にして最高齢本塁打を放つとは常軌を逸していよう。
 そのフランコ氏がBCリーグの石川ミリオンスターズ監督兼選手に就任する。わが国における所謂独立リーグはバブル崩壊後、従来職業スポーツの供給源たる役回りを担っていた社会人競技からの企業の撤退を受け2005年に発足した四国アイランドリーグを嚆矢とし、 選手養成機関としては10年を経て定着した感がある。
 しかしながら今年も週刊ベースボールを皮切りにほぼ一斉に店頭に並ぶ名鑑を眺めてみると、寧ろBCリーグとの出入りの激しさが伺えよう。石川球団は前監督の森慎二氏が西武コーチ、GM兼投手の木田優夫氏が日ハムGM補佐に転出する一方で元日ハムの多田野投手がコーチ兼任で参戦しており、信濃からオリックスには吉田、辻両氏がコーチとして復帰し、逆に高橋信氏が選手兼任でと恰も派遣社員の交替が如き現象も生まれている。ラミレス選手の現役最終球団が群馬であったことも記憶に新しかろう。
g949.jpg  詰まり幾ら崇高な理念に基づこうと経済合理性との両立が図られなければ結社として存在し得ない資本主義社会において、BCリーグは元日本野球機構所属選手を積極的に受け入れることにより、育成と同時に興行としての成功に結び付けていると定義されるのではないか。マスターズ・リーグがスポンサーシップの撤退により再開に目処が立たない昨今、現実には日本野球機構への復帰には繋がり難いとしても、元気な高齢選手の受け入れ先たる新たな存在意義の象徴としてもまたフランコ「選手」の復帰は美しい目の付け処ではなかろうか。

 久々にヤフーオークションを覗いて衝動的に昭和52年版のケイブンシャ「プロ野球大百科」を入手する。
 子供向けにも拘わらず、或いは子供向けだからこそかも知れないが住所、家族構成は元より思想信条に至るまで恐ろしいまでの個人情報のオンパレードに加え、その辛辣な物言いには苦笑を通り越して感嘆せざるを得ない。
 曰く「きかん坊です」「くさっても鯛」「走塁の勘もあとひと息」「下半身のもろさ」といった本職への技術的な注釈ならばまだしも、「長続きしません」「栄光が嘘の様な不振」と言われては立つ瀬が無かろうし、「干された」と明示されては幾ら首脳陣が入れ替わろうと次年以降の名鑑作成に支障が生じまいかと他人事ながら不安になる。「猪首で突貫」と身体的特色を指摘されて喜ぶ人間は稀少だろうし、「幼妻に女子誕生」「デートはパチンコ屋」なぞ余計なお世話だろう。
 世の中が直裁だった時代が懐かしい、とも言えようが。

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