コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

12月30日(火) アトムの子  -映画 - 邦画-

g913.jpg  そろそろ借りるべき板のネタの尽きてきたTSUTAYA ディスカスから二本のDVDがやって来る。確かに唐突に動くジュリーが見たくなり登録した記憶があるが、忘れた頃に繰り上げ当選宜しく配送され、ギリギリまで賀状のコメントを認めつつ賞味した「ハーイ、ロンドン」は古式ゆかしきアイドル映画の体裁を踏まえつつ、加橋かつみ脱退によりニューロックへの脱皮にもがくザ・タイガースの苦悩が垣間見れたと評するのは後代の入知恵が効き過ぎだろう。
 然してもう一本は「太陽を盗んだ男」である。十年程前に深夜放送を視聴した記憶はあるが、原子力政策囂しき現在において改めての感慨があると言って良い。
 腹腹時計チックな小型原子爆弾を踊りながら、鉄腕アトムを自ら謳い手作りする光景は、不謹慎と病殺されそうな現代の視線においてなおキッチュな笑いには端倪すべからざるものがあろう。
 次回作の待たれる監督ナンバーワンの座を三十幾年に亘り担う長谷川和彦監督の被曝二世たる出自からしても根底は反権には違いなくとも、デモという名の無軌道な示威行為を嘲笑う様な左翼批判もまた織り込まれているところが、思想性を超越したエンターテインメントとして問答無しに愉しめた。
 何よりも1979年と言えば77年の「勝手にしやがれ」によるレコード大賞から80年の「TOKIO」に至るジュリーの全盛期であり、アイドル然とした「ハーイ、ロンドン」から丁度10年を経て惚れ惚れとする程に格好良い。同時に色を添えるのが井上堯之氏の音楽であり、こちらも早過ぎたスーパー・グループ PYGのもうひとつのあり得た世界を物語っていよう。
 付言するならばあっさりと殺されて仕舞うヒロイン役、池上季美子氏の美しさだろうか。こちらは趣味趣向かも知れないが。
 年末を締め括るに相応しいかは兎も角、名作は時を経て接すると新たな感慨を齋すというひとつの例示には違いなかったろう。

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