コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

9月14日(祝) 奇妙 奇天烈 摩訶不思議  -アニメ・コミック - アニメ-

g831.jpg  再三述べている通り、ドラえもんに対する違和感はスラップスティック劇の引き立て役に過ぎなかった筈ののび太が、79年以降のコロコロコミックとの連動に由来する番組の爆発的なヒットの中で、依存心の強い落ちこぼれのキャラクターのままにヒーローと化さざるを得なかった構成に由来するものではないか。
 取り分け映画はドラえもんの舞台を借りた冒険活劇である為に、のび太の英雄性がより高められているが、今般敢えて画調も違えた「STAND BY ME ドラえもん」を拵えたのはスラップスティックの中の一服の清涼剤とも言うべくドラえもんの持つもうひとつの資質をプレイアップしたものだったのだろう。
 最初期の公式コミックス版ドラえもんが6巻で終了しているのはよく知られた事実であり、このドラえもんの未来への帰還と7巻冒頭の再来を軸に源しずか氏との恋愛譚をサイド・ストーリーに織り混ぜた構成は確かに感動を誘うものだったに違いない。
 ただ先に述べたコロコロコミックを原体験に持つ世代にとってはこれら内容は既知のものであり、寧ろドラえもんの新たな世界観に触れたが如き感慨を抱いたのは、その前後の世代だったのではなかろうか。
 作者たる藤本氏が単なるドタバタ劇であった筈のドラえもんが何時の間にか国民的大人物に持ち上げられたことを如何な想いで眺めていたのかは最早解らない。
g832.jpg  ただパートナーでありライバルでもあった我孫子氏が年長者向けのブラックな笑いに転じていく一方で、自らの限界をもまた自認していたのだろう。だからこそ松竹新喜劇の様なペーソスの味付けとして配された幾つかの物語ばかりを集積した映画が、必ずしもドラえもんとともに歩んでいない世代に最上級の評価を以て受け止められたのは或る意味皮肉な巡り合わせとも言えなくない。
 ドラえもんが藤子不二雄両氏の手を離れた原作とは別の世界に旅立った今改めて、原作に忠実に描かれたこの映画は、ドラえもんから父・藤本氏への別れの挨拶だったのかも知れない。

 母や祖母の話題に影響されたのだろう、何と無く川島芳子氏と混同して仕舞いそうになる山口淑子氏は物心付いた時分には既に女優でなく参院議員だった。
 7年前の大陸視察にあたって訪問先の希望として大連を挙げたために、上海には赴きながら蘇洲の夜を味わえなかったのは今にして想えば悔やまれるか。
 御冥福を御祈りします。

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