コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

9月6日(土) 海を渡る  -海外情報 - アメリカ縦断/横断の旅-

g792.jpg 極東の住人にとって大西洋は遠い海である。西側には冷戦下のソ連邦上空が禁秘であったが故に、幼少時の渡欧はかのアンカレッジ経由であったが、最早北回り・南回りという用語すら過去の遺物と化していよう。
 では太平洋はと問われればドメスティックな我が方にはこちらもまた滅多に御目に掛かれない。幸か不幸か今般はひとりぼっちにあらず、はや成田から随員の旅であったが、北米大陸に足を踏み入れるのもブラジルへの半日トランジット以来、8年振り三度目とは激戦区の老舗甲子園出場校の如しである。
 しかもその際は高額過ぎて驚愕の地球の裏側へエコノミーだったから、ビジネスはその前年の印度以来に他ならない。
g793.jpg しかし噂には聞いていたものの、嘗てはビジネスと言っても新幹線のグリーン宜しく少しばかり椅子と前席との感覚がふくよかな程度だったが、今やフルフラットとは一度搭乗すれば病み付きになる心持ちも理解出来よう。
 小物入れの配置が忘れ物の温床になりそうで使い辛いとか、かくなる上はいっそフット・マッサージも誂えて呉れればなどと夢想も弾もうが、お陰様で11時間のフライトをほぼ爆睡、到着して現地は午後になるが無事夜もすやすや初日から時差は解消された。

g796.jpg デトロイトの中心街に移動してこの日ほぼ唯一の公式行事たる会食も本席と離れた事務方同士の気楽な宴会である。
 関係者の大宗が宿泊するマリオットホテルと聞いていたが、実態はかの政府資本となったGMの本拠ビルであり地下にはショールームも鎮座在しているとは、改めて20世紀を自動車とともに歩んだ産業都市の様相を思い知らされる。
 ただ流石に疲労を覚えながらデザートまで平らげたところで本席に目を遣れば、驚く勿れ未だアペリティフさえ完了していないではないか。カースト制度並とは言うまいが、効率性よりも個々人の職責を重んずる米国社会の有り様をもまた痛感させられた。詰まるところ会食の人数が増えれば級数的に配膳も伸びる道理なのだろうが、大河を挟むカナダの夜景は美しくとも注文の来ない料理店に睡魔は募るばかりだった。
 おかげで宿へととって返す一行を余所に旧知の某省御仁との二次会もそこそこに、米国珍道中は幕を開けたのであった。

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