コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

8月10日(日) ふたり芝居  -音楽 - 音楽-

g760.jpg  確かに朝からの断続的な豪雨が足を鈍らせたのは事実だが、七年目を迎える今年ほど気の進まないワールド・ハピネスは初めてだったろう。
 既に一昨年の時点でYMO名義での出演にはピリオドが打たれてはいたものの、昨年はスネークマン・ショーを枕にYMO擬きが出現するのは明らかであり、フルでなく関係者に紛れてYMOが揃うという第二期に入ったワールド・ハピネスの方向性を示唆していたのだろう。
 加えて本年は、主宰者たる高橋幸宏氏が新たにMetafiveなる豪華面子を率いて、過去のYMO作品を含む楽曲をほぼ原曲通りに、半ばDJによるリミックスに音を被せたが如くに再現するステージを既に披露済みだったから、今般の大トリは嘗て細野・高橋のスケッチ・ショウに教授がゲスト参加した様に、ユキヒロ presents YMOが成立するものと予測するのは難しい話しではなかった。
 小雨になるのを見計らい細野公演から参入するが、鈴木茂氏の客演こそあれ、正直カントリーは些か食傷気味である。しかも半ばから再び雨足が激しくなり、サイド・ステージを挟んでの電気グルーブまでには中断すら余儀無くされる。
 最早蜂須賀小六にしか見えないピエール氏だが、シャングリ・ラのヒットが既に17年前である事実に驚愕するとともに、高橋バンドの中核がまりん氏であることに鑑みれば、テクノの世界においてこのグループの担ってきた意義もまた伺われよう。
g761.jpg  トリの高橋バンドの6月公演「TECHNO RECYTAL」は仕事のためパスせざるを得なかったが、CDに全貌が収められており、「攻殻機動隊」のテーマが新曲として加わったものの矢張りそれ以外は公演からの抜粋であり、冒頭の「key」「ballet」こそ感慨は催したが、正直アンコール前の中〆「Something in the air」でノリノリになれと言われてもの感は否めなかった。
 しかもアンコールの「中国女」は明らかにYMOを前提としており、折角の大物ゲスト・土屋昌巳がAメロのタイミングを間違えたのを割り引くまでもなく、教授の不在が重くのし掛かっていた。確かにオーラスの「Cue」は細野・土屋両氏の登壇で、私も現場に遭遇した82年ユキヒロ氏初のソロ・ツアーの再現には違いなかったが、却ってこのイベントがユキヒロ氏個人の双肩に掛かっている事実を色濃く見せていたのではなかったか。
 再三の豪雨に幾度途中退場しようかと思いながらも最期まで留まった甲斐が無かったとは言わない。しかしながら原曲の音源を用いてのマイナスワン的なYMOの再現というファン・サービス的要素の強い舞台から細野・坂本の両氏が去り、ひとりユキヒロ氏が孤類を守る構図には一抹の寂しさを禁じ得ない。

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