コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

6月6日(金) のどスッキリ  -スポーツ - プロ野球-

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写真は西村投手
 つい数年前まで救援投手には厳然たるヒエラルキーが存在したものである。即ち大将格の「抑え」を除けばリード乃至は僅差のビハインドで登板する「中継ぎ」の領域が混在しており、遥か足下に位置する「敗戦処理」など軍属以下の扱いだったろう。今や「中継ぎ」が細分化され嘗ては特殊技能として持て囃された「左のワンポイント」も包含する形で再編されつつあるが、最大の変化は「控え」と「中継ぎ」の地位の差が著しく縮まったことだろう。
 例えば歴代最多セーブを独走する岩瀬投手も五年間の中継ぎ、往事は下積み色の濃厚なポジションを経て花形たる「抑え」に昇格を果たしているが、昨今は寧ろ九回一イニング限定のリリーフ・エース以上に七回、八回を担う中継ぎ改めハイカラに「セットアッパー」の価値が唱えられる様になってきた。
 但しその評価については未だ振幅が見られる。米大リーグにおいてホールドが制定されたのが86年、わが国においてはその10年後にパ・リーグが採用したが、セは独自の計算式を用いたリリーフ・ポイントなるものを考案した。結果的には複雑過ぎて受け入れられず2004年に改めて両リーグともホールドに統一されたが、その際に内容が改められている。
 制度の改変はよくある事態で、74年に米国から遅れること5年にしてセーブを導入した折りにも初年度は高橋直樹投手がひとりで勝利投手とセーブを獲得するといった混乱があり、かつ数年を経ずして要件が緩和され全体にセーブ数が増加している。
 しかしながらホールドの改変はリードしている場面に留まらず同点での登板も対象とするもので、当初の検討過程でビハインドでの登板をも含む案も存在した経緯に鑑みれば必ずしも過剰とは言えないものの、問題は交替完了でないセーブ同等という米国の規定より幅広になっていることだろう。
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写真は札幌丸山球場
 即ち中継ぎの評価を求める余り、幾分勇み足で人為的に記録の上積みを図った、と色眼鏡で見るのは本邦初の200ホールドを達成した山口投手の偉業に失礼千万だが、通算勝利や安打も日米通算が当たり前になりつつある現下において、記録の尺度自体が異なるのは如何なものだろうか。

 勿論、先発投手のメルクマールとなる勝利数が分散され稲尾・スタルヒン両投手の42勝はいざ知らず20勝投手すら稀になった今、責めて救援投手は人後に落ちない怪記録を求めたいという興行的な欲求は理解出来る。
 それならばいっそ自由民主党より提起された16球団への拡張を真剣に検討してみたら如何だろうか。アジアの盟主としての職業野球の底辺の拡大たる大義名分以上に、一軍の枠が拡がれば技量の格差も大きくなりトップ・クラスにはより好記録が期待出来るのは自明の理である。
 景気が上向きつつあるという共通認識のある今こそ、議論の遡上に挙げてその端緒だけでも築くべきではなかろうか。

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