コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

7月21日(祝) BLUE TRITON  -海外情報 - 世界遺産-

g689.jpg  実質二日目のパラオは愈々「公式行事」がスタート、今や外交における開明派として再評価の気運すらある蘇我氏とは何等の関わりも無い海豚である。
g690.jpg  マラカル島から赴くのはロック・アイランドに囲まれたドルフィンベイ、湾全体を海豚養育の施設として独立させている。マングローブは海水から否応なしに吸収した成育に不必要な塩分をひとつの葉っぱに集め、その葉ごと切り落として体内調節を図っており、その帰結として簡易な柵で仕切られただけの外洋と繋がった園内にも大量の黄色い葉が降り注がれる。しかしながら海豚は植物を消化出来ないため、葉を飲み込まずインストラクターに提出すれば替わりに餌が与えられるべく調教を施したとの解説は、些か長過ぎる前降りの中では白眉だったろう。
 確かに盲目に近い海豚は偶に間違えて観光客たる我々にも葉を差し出すが、素早く係員が魚を供出し蟒蛇の如く飲み込まれていく。事実海豚に味覚はなく喉越しの感触のみを満喫しているので、日にバケツ四杯にも至る餌量のコントロールと水分補給を兼ね、適宜氷を以て代替するとは餌付け体験に興ずる息子達にも良き社会勉強になったろうか。
g691.jpg  学びの時を経、一家揃って右手を挙げてその合図に呼応して跳び跳ねる海豚とともにファインダーに収まる。散々練習した割には素人コンダクター宜しく実際のサインはインストラクター任せの疑似行為だったが、思い切り水飛沫を浴びて海豚より前に海水に馴染む羽目に陥る。総額40ドルで計6カットのみだった筈の公式写真が帰国して確認するとCDRに数十枚も収められており、アバウトさが却って観光立国途上のホスピタリティーを感じさせた。
 メインエベントは我々も入水して城みちる宜しく海豚に股がる絵柄こそ叶わなかったが、眼前を往復する海豚に触れてナス擬きと教授された肌の感触を味わい、頬に口付けを受けてワンサイクル終了となった。
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 ここから昼休みが長く半ばうとうとしながらも子供達は沿岸部をプールに見立てて魚と戯れれば、午後は本日第二段、グアムやサイパンではダイビングに及んで深く潜行しなければ出会えない魚達に素人のシュノーケリングにて対面出来るパラオの特質を最大限活用すべく海に臨む。外洋まで船で遠出するのかと思いきやいきなりカヤックをえっちらおっちら漕ぎ出すところもまたパラオらしく、兄弟息を揃えてイチニ、イチニとオールを操作する光景は頼もしい。
 遥か昔、卒業旅行で訪れた、等しく旧南洋庁傘下のサイパンでは一同お面を被ったまま命綱を頼りに徒歩行軍しつつ沿岸部から入水して、小振りな魚群を眺める苦行の様な行程だったが、四半世紀を経てシュノーケリング自体が進化したのか、矢張り周囲をロックアイランドに囲まれ波浪穏やかなパラオの特質か、小学生からはライフジャケットに身を包めば泳ぎながら顔を水に浸すだけで色鮮やかな魚は元より珊瑚に海鼠まで簡便に御目に掛かれるとは有り難い限り、休日を謳歌した某大臣を責められまい。
g694.jpg  子供達の水中カメラを抱えて一台は静止画、もう一方は動画と使い分けつつ、水面下の映像を収め続ける毎度ながらの多忙ではあったが、タイトル通りの「欲張り」ツアーに一同満悦ではなかったろうか。
 ただ朝から元気溌剌だった祐旭が帰路、洋上からぐったりしていたのは明らかに不安な兆候で、トレーニング設備の探訪こそ太り気味の公資に相応しいかったかも知れないが、ホテル最南端部にひっそりと佇む嘗てわが国が設営した飛行場跡の視察も二人三脚を余儀無くされた。ベントウやデンワなど日本語がそのままパラオ語になったものも少なくないが、取り分け微妙に訛った「スコウジョウ」の語はわが国が本格的な群島開発の端緒となった歴史認識をよく体現しているとも言えようか。
 そのまま小高い丘に登れば肝心の夕陽こそ半ば雲に隠れて臨めなかったが、広大なリゾート・ホテルを一望に収め、この時ばかりは結果的にビュー・ポイントに近接することとなった部屋への長き導線に感謝しなければならなかった。

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