コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

3月19日(木) 雲の上を歩く  -音楽 - 音楽-

g630.jpg  所謂有名人の店は數多かれど、名義貸しに近かったり過剰に多角化されていたりと、実際にオーナーたる当該著名人が店舗そのものに常在しているケースは必ずしも多数ではなかるまい。しかも常連客のテーブルを周回して宴席に参画するとなると、飲んだ分だけ売上増という現実の効用を割り引いてなお、旺盛なサービス精神が求められると言うべきか、端から接客業が板に付く人物でなければ務まるまい。
 残念ながらアリスの楽曲はヒット曲しか知らないので、ジャズ・ドラマーであった矢沢透氏にとって、フォーク・ベースの歌謡ロックから寧ろ演歌に近似するスタイルへと変貌していく中で、どんどんリズム隊の意義が薄れていく過程を如何に捉えていたかなどと初対面で伺う術も無く、折角の邂逅も私も半ばオブジェと化した電子ドラムが部屋にありますとお座なりの会話に留まって仕舞ったが。

 個人的にはフォークから派生したと一般的には分類される「ニューミュージック」はYMOから先祖帰りして以降に馴染んだもので、中学生の時分に一時的に復活したタイガースを契機に聴き漁ったGSの方が歌謡曲評論家としては血肉になっているのかも知れない。
 往時、既にワイルドワンズは再結成して今に至る萬年青年的な面持ちを醸し出していたが、タイガースに曾て"失踪"した加橋かつみ氏が復帰した替わりに慶應高校の教員だった瞳みのる氏が参画しなかったのと同様にワンズにはチャッピーこと渡辺茂樹氏が不在であるのを発見し、歌謡界における人間関係に思いを馳せたのがGSに親しむ一因となったのもまた私らしいと言えよう。
 存在を認識した時分には既に氏が作曲家或いはバックバンドのバンマスとして携わったキャンディーズも亡く氏の足跡を表舞台で追うには至らなかったが、世代的にはアリスと変わらないにも拘わらずカップスのデイブ平尾氏やジョージ柳氏、カーナビーツのアイ高野氏らGS勢が鬼籍に入られるのを伺う度に、早く世に出た方々の勤続疲労とも看做すべき悲哀を感じてならない。

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