コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

2月19日(水) 密なるを以てす  -ビジネス - ビジネス-

 唐突に経団連広報対応の一員に妻とともに指名されたのが94年1月、その年の夏には交際が始まり、ほぼ丸四年の経団連会長企業任期の満了を待って成婚に至っているので、振り替えれば社内恋愛歴は長い方だったと言える。
 ただ通常の企業と異なり実質的に帝都探題に過ぎない東京に若年男性が少ない構造故に、東京地域における社内結婚事例が企業規模の割には稀少であり、従って当人達はそれなりに秘匿していた積もりであっても、蓋を開けてみれば大方には目星の付いていた事態であったのだろう。
 実際、同衾する場面を目撃されなくとも微妙に一線を超えているかの如くに疑念を醸し出しかねない当人同士の口調が発覚の引き金となる事例が垣間見られるとすれば、男女七歳を超え席を同じうする同僚にして社内を欺き続けるのは難関に違いない。
 ただ一方で、社内恋愛の多くがともに職務を遂行する過程における密度に端を発するとすれば、たとえ常に同一空間にて一挙手一投足を捉えられなかったとしても矢張り白を切り通すには、相当に周到な口裏合わせを含めた戦術を擁しよう。
 本日、親愛なる部下から目出度く御成婚の報告を戴く。既に秒読みと伺っており昨今の風潮通り結婚後も働く続けるからには人事的に著しい驚愕は無い。しかしながらお相手が職務柄再三両者の遭遇に瀕していた筈の人物とは、比喩でなく目の玉が飛び出る程に驚いた。聞けば当人は彼氏はいるが社外、新郎は募集中を貫き通したというのだから、上官としてその見事な隠蔽工作に気配すら推察出来なかったのもやむを得まいか。
 公式ルートでの報告が完了するまではオフレコを厳命された為、折角の役得でマル秘情報を手にして少しも開示出来ぬ悲哀の中、家に帰るや否や堰を切ったかの如く妻に報告する。
 御目出度ふ御座います。近来稀なる慶事に翌朝、我慢ならず微妙なフライングで漏洩して仕舞いました。

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