コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

1月29日(水) 兵站の矜持

 「業務秘書」という言葉が一般的なのかは定かでないが、日程調整や身の回りの世話役たる狭義の秘書業に対し、被対象者の職権の半ば代替執行者との位置付けを指すと言えよう。わざわざ新たな範疇が設けられる所以は、所謂秘書業務は足回り主体の小間使いに過ぎず、到底中身には関与し得まいという侮蔑のニュアンスが多分に含まれていることは否定出来ない。
 全体日程に始まり移動手段や飲食の提供に至る兵站の軽視は「輜重輸卒が兵隊ならば、蝶々蜻蛉も鳥のうち」と揶揄された西南の役以来、大東亜戦争における帝国陸軍においてなお残念ながらわが国の伝統であり、調整は旨く回って当たり前、事を成し遂げて尚手柄は実践を預かる歩兵や騎兵ならばまだしも、大本営参謀に油揚げを浚われること屡々だったろう。
g571.jpg  勿論、我ながらよく噛み合ったと唸りたくなる要人ばかりの困難な宴席を効率的に成立させれば、それなりの自負も生じようが、その喜びは相手先が異なれば同業者であっても正確には理解され得ない孤独な商売でもある。「兵站を制する者は世界を制す」とまで持ち上げるのは陽の当たらぬロジスティクスへの過剰な媚びかも知れないが、「兵站を笑う者は兵站に泣く」ぐらいは些かの真実も含まれるのではないかと控え目な主張をまた胸に秘めながら。

 時の経過とともに体内の熱の高まりを感じながら、三味線引いて神楽坂から練り歩く約6時間。久々の銀座はホステスのお相手が疲れました。

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