コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

1月12(日) 笑いのツボ  -テレビ・ラジオ - お笑い/バラエティ 全般-

g556.jpg  「奥様は18歳」にリアルタイムで接した世代ではないが、確かに子供時分には舞台でもないのに観客の笑いの被せられた米国産ドラマがTVに溢れていたものである。
 ただボケと突っ込みという構造は万国共通であっても言葉の細かいニュアンスや基督教由来の文化基盤の相違もあろう、正直大笑いした記憶には乏しい。僅かにグラハム・カー氏が見えないスティーブ氏を相手に喋り続ける「世界の料理ショー」は強烈に印象に残っているものの、所謂シットコムの翻案を狙ったという三谷幸喜氏の「HR」の妙は脚本の巧みさ故であって、わが国ではこの種微温的な笑いは、吉本新喜劇の如く幼少時からの刷り込み効果によって単発の決め台詞が自動的に笑いを想起させるに至った地域性の強い舞台劇を除けば、必ずしも大衆性を得られないとの見立てだった。
 しかしながら昨今、子供達が勉学の合間をぬって被り付いているCSディズニー・チャンネルに嫌が応にも接していると見事にシットコムの嵐であり、その何れもに高い関心を示している。
 半ば流し見に過ぎないとはいえ、幼少時からシットコムに馴染めば長成してなお「奥様は18歳」に何と無くチャンネルを合わせる、吉本同様の効果が伺えるのだろうか。バラエティ番組溢れるわが国において今更シットコムが世を席捲する事態は訪れまいが、成る程後進国に向けては立派な文化侵略の尖兵たり得ようし、事実戦後わが国においても社会党の江田三郎氏にすら評価された「米国の高い生活水準」を広く知らしめた最大のショーウィンドウであったろう。
g557.jpg  他方父は全く興味を惹かれず、寧ろ同じチャンネルに唐突に挿入される「ペンギンの問題」に見入って仕舞うのだった。小学生時分には創刊2号から愛読していたコロコロ・コミックも今やゲームへの転用ありきの対戦ものと、極端な不条理ギャグが大層を占めている。ただちびまるこちゃんが日曜夜の顔として大衆性を獲得するに連れ毒を失っていったのとは逆に、ベッカムはアニメ化に伴って過度の不条理性を緩和させたことでブラックでありつつ大人の視聴にも耐える汎用性を得たと言えよう。
 単に好みの問題と言えばそれまでだが。

 嘗て大山康晴15世名人が69歳の死の瞬間までA級であり続け、米長元名人がその陥落とともに現役引退に至った様に、将棋界における元名人の生き様は恰も大相撲における横綱の如く高貴なものだった。
 しかしながら棋界全体の若返りが進み、名人の地位も多角化に追い込まれた今、敢えてB級に留まりながら早晩引退に追い込まれた中原16世の末路に待つまでもなく、一線を退いた元名人のあり方もまた新しい道が求められている。
 谷川17世には、今般の陥落を契機に緩やかに坂道を下る様な早過ぎる晩年を迎えるのでなく、少なくともB級1組で昇級争いに絡み夢よもう一度の期待を抱かせる程度には意地を見せて欲しい。それが羽生をはじめとする群雄割拠の世代に先立つひとり横綱が如きであった「前進流」の使命であることは御本人が最も解っておられよう。

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