コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

1月9日(木) 糸の香り  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

g471.jpg  新たにテコット会長に就任した島耕作氏を、作者が同友会型の個人加入と混同したのか敢えて実態と異なる記述でフィクション性を強調したかったのかは定かではないが、当然社長時代に名義貸していた筈の経団連理事職に敢えて就任させたのは、過去のサラリーマン時代同様に再び財界出世譚を描くべく苦肉の策なのかも知れない。
 島新"理事"を迎え程無く副会長兼務となる事務総長氏は、嘗ての花村仁八郎氏に直接接したことの無い世代には流石に黒幕風情に描かれ過ぎに映るが、果たして消去法の選択で次期会長に選ばれる"私大出身"の新会長が現実の誰をモデルに戯画化したものかは定かではない。
 ただ恐らく委員長ポストを辞退したのだろうと類推されながら出席必須でもない委員会に熱心に足を運ぶ行動原理からしても、財界首脳とは一線を画す様な言動とは裏腹に、出身母体の苦境もなんのその財界総理に向け早くも野心満々にしか伺えない島氏とも五十歩百歩だろう。
 漫画の予見性を讃えるならば、有力候補が激しく拮抗する様な経団連会長レースは過去のものとなり、寧ろ衆目が推す様な人物は辞退したり早めに日商ポストを確保して社格を保ちつつ過剰なコストを避ける現実的な対応に終始したりで、今般も最有力とされた日立の強い辞退から意外な結末に落着したとまことしやかに語られている。
 確かに老舗の三井系企業たる東レは副会長ポストの常連で前田勝之助氏が万馬券扱いとはいえ会長候補に擬せられた時期もあるから、資質を欠いているとは言えない。しかしながら最終消費財でもなく、素材としても「国家」たる鉄ほどの全産業との連関を持たない化学という選択は、既に副会長を退任している身の上と相俟って矢張り噂を裏付ける傍証と頷かざるを得ない側面もあろう。
 国内経済においてオール経済界の利害を一致させることの難しくなった昨今、寧ろ経団連はトップ外交の一翼を担うのが生き残る途なのかも知れない。だからこそ安倍政権の政経一体路線とより歩調を合わせるべく、現会長期に隙間風とされた与党の関係改善、その為の政治への影響力行使の制度的枠組みを早急に再構築して戴きたい。その先に国家プロジェクトたる東京五輪もまた位置されるのだろう。

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