コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

12月11日(水) 豊穣の田  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

g516.jpg  小麦輸出を増やす米国のパン食推進政策の賜物であるとしても、戦後急速にコメ消費が減退したのは事実であり、長らく食管制度の中で実質的な輸入制限を行う一方で価格維持の為の生産調整、その帰結としての減反政策が存立していた。 ただ「農業」の維持が、確かに産業としてのみならず国土保全も含めた所謂"多面的機能"を踏まえたとしても寧ろ「農家」の維持へと傾いていったのは、民主党政権の個別所得補償制度に顕著な様に否定出来ない側面であろう。
 従ってこの減反を見直し、農地の大規模集約化を図るための中間管理機構を新たに設けるとの今般の決定は、農業政策の一大転換とも言うべき大事に他ならない。当然、生産性の向上は将来的な輸入自由化までをも見据え南北間格差の是認、即ちコメにおいても高品質米は逆に輸出商品たり得る替わりに低品質のそれは飼料や究極的には転作もまた許容せざるを得ず、小規模農家の中間集約の担い手として流通、農機具の共同購入・利用、金融を司どってきた農協のあり方をもまた変容させていくこととなろう。
 この転換にあたっては福田総理だからこそ台湾派を抑えて日中平和友好条約締結に至らしめたという歴史とはまた異なった、商工ベースの政治家が音頭を採る中で農林オリジンの族議員が具体策を検討する絵柄、解り易く言えば「与件として素人が牛耳る中では条件闘争に持ち込まざるを得ない」との構図を作り上げた、高支持率を背景とする政権の人事配置の妙も寄与していた筈である。
g517.jpg もう十年程前、謎の行革裏舞台の末端アンカーとしてそれこそ素人の浅知恵で農地集約と廃田活用による産業活性化と雇用拡大のペーパーを纏めた際、「第一次産業と雇用の連関は勤労感謝の日が豊穣を祝う新嘗祭であることから明らか」などと勿体振った前降りを認めたことを思い出す。
 もしかしたら極僅かであっても今般の結論に一助たり得ていたとすれば、密やかに自讚したいところなのだが。

 夜は丹波のしし鍋を戴く。味噌ベースが妙味である。当然、次は食肉産業という符丁ではない。

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