コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

11月25日(月) 棺を覆いて  -車・バイク - 自動車全般-

g506.jpg  動物には死期を悟ると自ら姿を消す種族があると言われるが、百歳を超えること四日での逝去には、万物の生き死にには何か人智を越えた自然の力が働いているのではと考えざるを得なかった。
 父が関係会社に在籍していたこともあり、豊田英ニという人物の名には世代の割には比較的親しんでいたと言えようが、今日その表現が適切であるかはさておき盛大なるお別れの会に事務局の末端として携わって改めて、既に歴史上の人物として教科書に掲載されて久しいわが国近代の産業革命の旗手としての豊田佐吉氏とはまた異なった文脈において、未だ日本経済の基幹産業の地位を占めるとされる自動車産業の中興の祖のひとりが、現代史の世界に刻印される日でもあったという想いを新たにする一日でもあった。
 勿論、ここに至る道は一事務員にとっても平坦ではなかった。政官という対外分野に携わる者として、先ず誰にご案内すべきかは重大な選択である。企業として現に関係の深い各所は元より、取り分け送られる側が高齢なだけに寧ろそれ以上に現実に接触のあった世代、即ちOBへの対応は必定である。
 かく事態においては日頃政治オタクとして無駄飯を漁っていた蓄積が少しは役に立つもので、今や引退された御仁の元秘書の誰に亘りを付ければよいのか、幸いにして労苦が少ない。しかもいざ当人をお迎えするに当たって全員の顔と名前が確実に判別出来るのも昔取った杵柄の要素もあるが、我ながら便利である。
 最初から最後まで車寄せに佇みながら、国会の合間をぬって疾風の如く去っていった大臣の後ろ姿に安堵し、久方振りに再会した元議員の方と瞬殺で旧交を温めて末端には烏滸がましい弔問外交にも預かり、葬儀場に祭られた「天皇陛下」の御名に不眠には至らなくとも不休の一週間が思い起こされ、残念ながら誰にも共有されない感慨に浸って名古屋を後にしたのであった。

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