コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

8月11日(日) Happiness Is A Warm Gun  -音楽 - コンサート-

g355.jpg ここ数年、毎年来場時間の遅くなる一方だったが、今年は公的にはYMOの出演が無く、替わりに五月雨式に関係者が散り嵌められているので、早々昼過ぎの鈴木慶一氏の途中に早くも夢の島に舞い降りたWorld Happinessである。
 レンタルでは間に合うまいと新譜を購入、予習して臨んだ幸宏氏は本当にその新曲のみで幾分の肩透かしこそ否めなかったが、透いてる内にと屋台村でカレーを食んでいると「MAPS」のイントロが奏でられ、故・大村憲司氏の息子バンドと判明するのだから気が抜けない。
 しかも続いて登場の清水ミチ子氏が白眉で、物真似の巧みさは今更述べるまでもなく、新趣向のドリカムと達郎氏のそれっぽい楽曲も上出来だが、何よりも年々確実にピアノが旨くなっているのが立派である。当然の如く競演「丘を越えて」を経てメインステージ同士のバトンタッチはこれも初登場の矢野顕子氏で〆は「ひとつだけ」とは豪奢極まりなかろう。
 更にパンクスでプログレながら脱力感漂うヒカシュー・巻上公一氏のテルミンが、何者かと訝しむ観衆をサブ・ステージながら最後には魅了していたのが立派だった。
g356.jpg  この後は幾分中弛みでスチャダラパー、テイトウワ氏を流しながら、柴崎コウ氏が綺麗で存外に唄が巧いのを確認し、毎度訪れる度に後ろ髪を引かれていた第五福竜丸展示に向かうも16時を過ぎて外観のみに留まったのは失策だったが、18時前の大貫妙子氏から復帰すると、コンピレーション「キャラメル・パパ」にも収録されていた「都会」、細野氏のカヴァー「ファム・ファタール」と思わぬ邂逅に感慨深い。髪型のおかげもあろうが三面怪人ダダを彷彿とさせる容姿と、半年振りに御目に掛かるクラウンアンバサダー林立夫氏の飄々としたドラムに聴き痴れる。
 そして思想は兎も角、奥田民生氏のギター、歌詞以上にMCに笑って仕舞ったレキシのキーボード、各々の巧みな腕前に感心していると満を持してオーラスのThe おそ松くんズが現れた。
g357.jpg  版権でひと悶着ありスネークマンショーの「キャラクター名を用いた」との扱いになった咲坂守・畠山桃内両氏の前説に続いてオールスターキャストの豪華ゲストが続々登壇し、鈴木茂「花いちもんめ」、小坂忠「ほうろう」、矢野顕子「ラーメン食べたい」、ミカバンド「ダンスはスンダ」、大貫妙子「ラビリンス」とリレー形式で続いていく。
 ただスーパーバンドを仕立てたかった意向は判るが些か段取り不足は否めず、お約束のYMOも「チベタン・ダンス」に「ファイアークラッカー」と中途半端と言わざるを得ない。
 アンコールの「ごきげんいかが ワン・ツー・スリー」も暴走する小林克也氏を横目に進行役に徹する伊武雅刀氏が健気だったが、詰まるところわざわざアップデートした氏の「雲爺」や「ジェットストリーム」すら多くの観衆にはマニアックに過ぎ、坂本龍一氏の眉を若干潜めさせたブラックな二人のコメントはおろか、メンバー・楽曲の豪奢さも、バックバンドの一員にしては大物過ぎる小原礼氏が退屈そうなサイドギターに回されている勿体無さも、正確に理解されていなかったのではなかったか。
 年を追う毎にYMO世代そのものもまた年齢を重ねていく中で益々オーガナイザー幸宏氏の手腕、腕の魅せ所に委ねられる部分は大きくなっていくのだろう。我々はあと幾年、こうした光景を拝めるのだろうか。

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