コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

6月11日(月) なまほ  -政治・経済 - 生活保護-

 お笑いタレント氏実母の生活保護受給問題は、背景に生活保護に対する地域間の大きな感覚の相違が介在していよう。
 即ち、武士は喰わねどではないが、自らの衣食は自らの力量で律しなければならないという、刺激的な言葉を用いれば「恥」の文化、より卑近に言えば「見栄」の文化が通念として成立していてこそ、窓口で可能な限り生活保護申請を少なからしめる「水際対策」が成立していたのであり、今更の様に社会保障・福祉における「自助」「共助」を訴えてみたところで、実利が恥に優先するならば「公助」に走るのは火を見るより明らかである。
 恐らく件のタレント氏も特段の悪意があった訳ではなかろうし、芸能界という浮沈の激しい世界の有り様から既得権を確保しておきたいとの誘因が働いても、現にそれが許容されているのだから責められまい。
 ただ公助のあり方に地域の独自性が生ずるのは地方分権の趣旨から是認されようが、それが全額地域負担でない限りはフリーライドを咎められるのもまた必然だし、そもそも生活保護とは憲法に定められた「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を担保する制度であると同時に、経済的困窮者が社会に溢れ良俗を乱す危険性を未然に摘み取ることにより結果的にコストを下げるための「公助」措置に他ならない。
 現実に困窮者が増加している状況の中で徒らに心根ばかりを説いても致し方無いのならば、"働くよりもお得"と揶揄される状況を改め、水際対策でなく実際の賃金レベルに連動した可能な限り機械的な判断の出来る生活保護制度を組み直さざるを得ないだろう。その際には個々の資産、親族の援助可能性等を悉く詳らかにするよりも、喩えは悪いが消費者金融が一定の貸し倒れを見込んで金利設定を行なっている様に、幾ばくかの不正受給は捕捉し切れないものと見做し、その調査・摘発コストも転用して応分の給付額を定める割り切りが必要なのではないだろうか。
 良くも悪くもまたわが国もこうしたプラグマティズムに依拠せざるを得ない曲がり角を迎えている。

 同窓会発表会という二大イベントを一週末に終え、気が抜けたか知恵熱か体調を崩して仕舞った。
 時間も情熱も相応にしか注げない中、プレッシャーになっていたということか。

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 お笑いタレント氏実母の生活保護受給問題は、背景に生活保護に対する地域間の大きな感覚の相違が介在していよう。  即ち、武士は喰わねどではないが、自らの衣食は自らの力量で律しなければならないという、刺激的な言葉を用いれば「恥」の文化、より卑近に言えば「見...

  • 2012/06/25(月) 20:05:43 |
  • まとめwoネタ速neo

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