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コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

2月27日(金) 逆三角形  -政治・経済 - 経済-

e18.jpg 想像するだに製造業における派遣或いは請負制度の改廃を巡る議論が飛び火したのだろう、ヨドバシカメラがメーカーからの受入れ派遣を全廃するという。ただ製造現場におけるこうした臨時要員という存在は、所謂小泉改革に依って編み出された"弱者"が今不況下において職を失う危機に直面したからこそ制度改正にまで話が及んだのとは相当に様相が異なっており、端的に言えば公取マターに由来する。と聞くと一般的な製造業的発想-との言を用いる時点で既に重厚長大型思考に毒されているのかも知れないが-からは如何にもメーカー側の優越的地位の濫用が連想されるものの、所変われば品変わると言うべきか全くの正反対で、量販店側がメーカーに売り子の派遣を強要し、その是正勧告の果実だというから恐れ入るではないか。
 ことの良し悪しは別として、少なくとも家電業界においてはナショナル・ショップに体現されたメーカーお抱えの系列店に依る地域主義を旨とする牧歌的な時代はとうに終わりを告げ、恰も第一次産業において大きな地位を占める卸・中買い同様に小売り・流通サイドがサプライチェーンの根幹を牛耳る構図が伺える。嘗て値引き販売を巡り松下電器(現・パナソニック)と一戦を交えたダイエー創業者の中内功氏はここまで強大な力を有するに至った流通業の有り様に、草場の陰で感涙を落としているのだろうか。或いは自らが心骨を注いだGMSという形態がすっかり専門量販店に凌駕された悲哀を噛み締めているだろうか。果た又量販店ですら従来半ば容認されてきた業界慣行を改め公序良俗に目を配らざるを得なくなった姿に栄華を極めた産業の曲がり角、衰退への第一歩を見出だしているのだろうか。

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