コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

8月21日(火) 末はリニアか地下鉄か  -海外情報 - 中国-

 長旅も遂に最終日を迎えたが、本日は偶然の産物で都市型電車フリークの好奇心を惹起させる行程に見舞われることとなった。まずバンコク地下鉄(①)は2004年に誕生したが、北京上海にも勝るとも決して劣らない渋滞のメッカとしては交通機能回復のための切り札に他ならない。ホームドア型の失礼だが喧騒の街バンコクとは思えない程の瀟洒な路線で、確かに日中自動車では小1時間は掛かりそうな行程を僅か15分程で走り抜けていた。
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 更にはわざわざ上空に聳えるスカイトレイン(②)にも乗り換えてみたが、驚くなかれ道路上に立体構造物を構築しながらモノレールではなく軌道線である。前回バンコク訪問時には丁度建設中で、ただでさえ酷い渋滞がより悪化していたことを覚えている。この天空軌道が2路線重なり上下二段になる絵柄は秋葉原もどきというか圧巻で、莫大な建設費を充当せざるを得ぬ過酷な渋滞事情を物語るとともに、メナム川の三角州という路盤が弱いバンコクの立地条件に鑑みれば、地下鉄よりは経済合理性も高かったのだろう。確かにTAXIの車質の著しい向上とともに、従前よりは車の動きはズムースになった気もする。一方通行の多さが最大のネックなのだから気のせいかも知れないが。

 思えばこの旅は、総じて議員諸氏との外遊は時間よりも安全優先なので兎角バス移動の連続となりがちな割には、公共交通機関に足を踏み入れる機会が少なくなかった。
 北京では夜半天安門広場からの帰路に一駅だけ地下鉄(③)に乗ったし、既述の通り重慶モノレール(④)は視察行程に組み込まれていた。しかし白眉は矢張り上海リニア(左写真)であろう。市南西部の龍陽路駅から虹橋空港まで約30kmを結ぶ同線は世界発のリニアモーターカー営業路線である。確かに昨年試乗したわが国の山梨実験線と比べても揺れが少ない感はあるし、浮上走行とタイヤ走行との切り替わりも殆ど実感出来ない。
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 ただ起終点付近に90度近いカーブがあるため、振り子式とはいっても非常にGがかかり乗り物酔いに弱い人は苦しいのではないか。地下鉄との接続も必ずしもスムーズでないようで、存外に空いていた。出来れば市中心部への乗り入れが望ましかろうが、騒音を配慮すれば地下化せざるを得ないし、距離を伸ばせば運行も複雑化しよう。現段階では実用の足というよりは観光名所のひとつというのが本音ではなかろうか。或いはこれも大都市上海の「壮大なる実験」の一環なのかも知れない。

 桂林では丸一日食物摂取を控え回復したかと期待された胃腸はバンコクの香辛料で再びダウンし、遂に行程を消化し切れぬ羽目に陥った。矢張り人間体力勝負である。最期の夜はコカレストランでタイスキを賞味したが、時間との戦いのなか再三垂れを要求すると、大連で冒頭出会った店員氏の溜息に再び見えることとなった。どうやら王族が来臨されていた様で膝ま付いての礼拝を促されたが、普段なら貴腐フリークの私のこと何の衒いもなく喜んで頭を垂れただろうが、この店の雰囲気ではとても従う気分にはなれなかった。ユニバーシアード大会を終えなおバンコクのサービス業も前途多難な様で、高齢のプミポン陛下も頭の痛いことだろう。
 至極天候に恵まれた旅程の最期にスコールに見舞われ、深夜のスワンナプーム新空港から旅立った。明朝、成田を後にしてから実に13日目の帰国である。

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