コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

3月3日(土) あの日に帰りたい  -映画 - 日本映画-

d32.jpg その事実に気付いたのは先月だったろうか、「気まぐれコンセプトはもう発売されましたか」と書店で尋ねる妙齢の男性の姿を見掛けた時である。「気まぐれコンセプト」は1981年以来ビッグコミックスピリッツ(現ビッグスピリッツ)に長期連載されている広告代理店を舞台とした4コマ漫画で、人気作品の割に84年以来単行本化されていないのはネタの使い回しが多く連載には向いているがまとめて作品化にはそぐわないなどと口さがない指摘もあった。確かに今般26年分から抽出された「気まぐれコンセプト クロニクル」として発売されてみると、通読するには些か飽きがくるし、同時代人であるが故の知識に基づいてクスっと笑える内容であったのが折々に時代背景の解説を付さなければならない様に読み手とのギャップも生じている。また4コマ目に平文で突っ込みかオチが恐らく判り易さを増すために挿入されたり、クリエーターのエピソードが徐々に姿を消して営業悲話の比重が大きくなるなど、その変遷も伺えた。
d34.jpg では何故に唐突に発売されたかと問えば、直接的には映画「バブルへGO~タイムマシンはドラム式」の原作の一部を為しているが為だが、要は嘗ては映画のみならず「OTV」、「見栄講座」、「東京いい店やれる店」など、如何にも経済的に恵まれたボンボン層の余技的な佳作を発表しながらこのところ形を潜めていたホイチョイ・プロダクションズの再始動の一環であり、1月に馬場康夫氏名義で「エンタメの夜明け」が刊行されたのと軌を一にしている。
 映画自体は単純明快なエンターテインメントで「私をスキーに連れてって」の様に社会現象を巻き起こす程のパワーはなかろうが、バブル期を題材にした映画が東宝の新作として発表されたということは、再びバブル経済に向かいつつあるとは言わないまでも、嫌悪乃至は思い出したくない記憶だった筈のバブルを懐かしむことが出来る程度の余裕はわが国経済に回復してきたのではないか。とマリオンから有楽町駅に抜ける、再開発により半分が更地になった駅前商店街を眺めながらしみじみと感じた。

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