コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

2月27日(土) やすしのメガネメガネ  -グルメ - 韓国料理-

h403.jpg  老眼の進行以前に痛みに弱い体質から耳への過剰な負荷を回避する為に掛けたり外したりの常態が、蔓への負担になっているばかりか、時には地面に放置して踏み付け変形させたりという乱暴な扱いに収斂し、結果として私の眼鏡の耐久性は驚く程に短い。
 今般も更新して程なく本体と蔓との接合部に不具合を生ぜしめ、一旦は眼鏡店でビスを補充して騙し騙し命脈を保ってきたが、遂に先週月曜会食中にに蝶番が折れセロハンテープで補修する事態に陥り、それでも尚貧乏臭く放置した挙げ句が片方の蔓を喪うに至り万策尽きて更新に至ったのである。
h398.jpg  そもそも破壊せずとも紛失も度重なっており、遅きに失しながら割引の特典を活用すべく二本同時購入に踏み切った。これで再び人災が訪れても準備万端、と安心している場合では無いのだが。

 近隣の塚田牧場跡に御目見えした焼肉店じょんじょんは、食券に始まり食材もカウンターから客自身が運搬し後片付けも自前と、目指すべくインフレ期待には退行著しいコンセプトである。
 わざわざ人件費を三分の一にと大書して謳い文句としているが、それなりにテーブルは埋まっているにも拘わらず店員は手持ち無沙汰で、だからこそか矢鱈に愛想はよいが、もうひとり減らしても回転しますよと助言したくなる風情だった。労働集約型のサービス業が労働力を割愛して生産性を向上させるなど本末転倒、と政府には怒られそうだが。

2月26日(金) キャンティ、アイラブユー  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

h397.jpg  昨夜は六本木でうどん、今日は飯倉で伊太利屋料理と連日遅めのスタートで多人数の宴会である。話題に窮してまだ一時間しか経過していない、と溜め息を付く様な席こそ稀だが、二日続けて気が付いたらこんな時間に!とあっという間に時が流れる気のおけない会は貴重に他ならない。
 所謂ロック御三家にはぎりぎりリアルタイムでは間に合っていないので「てぃーず ぶるーす」も後追いだが、毎度キャンティに赴く度に所謂クリシェの技法を用いた佳曲を口ずさみたくなる、と改めて調べたら唄の方が「キャンディ」だったことに初めて気付いた。 げに恐ろしきは思い込みなり。

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民主党大会(2015/3)
 組織の離合集散には様々な弊害を乗り越えるべくエネルギーを喚起させる契機が必要だが、まさに参院選を前に急ピッチで始動した民維合併を見る限り、〆切が作品を生むとの逆算の真理がここにも色濃く顔を出していよう。
 ただ嘗ての民主・自由両党の合併ほどのインパクトを齊さないのは勿論数の多寡もあろうが、具体的な手続きを過剰にオープンにする律儀な姿勢もまたマイナスに作用しているのではなかろうか。
 例えば民主が存続政党となるのは同様だとしても、形式上岡田代表のひとり政党になって党名変更し再/新入党という手筈も、合理的であっても丸で減資の如く裏寂しさが漂う段取りをわざわざ懇切丁寧に開示する謂われもあるまい。往時の小沢一郎氏が旧民主党の政策も規約も丸飲みして電光石火合併に持ち込んだ荒業と対比する迄もなく、家鴨の水掻きに専念出来る調整役も話題性を醸成させる演出家にも乏しい野党の、よく言えば生真面目さの現れだとしても、いざひとり除いて離党、維新は解党したのをこれ幸いと敢えて新党に加わらない選択肢をも提供した形になるのではないか。
 或いは共産党の候補者取り下げ、全野党共闘路線も2009年衆院選の成功体験に基づく措置には他ならないものの、曖昧なまま追認でなく敢えて公的に握手をすれば、新党大地宜しく離脱の立派な大義名分をわざわざ構築するのみならず、寧ろ共産党を利するリスクを犯してなおすがらざるを得ない余裕の無さと指弾されても抗弁し難かろう。
 小選挙区制である以上、たとえ野合と後ろ指を指されても先ず生き残る為に野党結集を目論むのは道理である。最も成熟した議会制民主主義とは、政権交替可能で政権交替しない基盤政党体制との揶揄が再び真実にならない様に、奮起を期待したい。

2月21日(日) 真田丸!  -テレビ・ラジオ - テレビドラマ-

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荒砥城跡(02/9)
 三谷幸喜氏の連続ドラマは当たらないという風評に傾いたのは最早12年前になる大河ドラマ「新撰組!」が契機であったろう。それ以降も映画ではヒットを続けていたものの、「清洲会議」が「羅生門」的な藪の中シチュエーションの妙と笑いとの二兎を追い切れず、時代劇における不作というダブルパンチを負って仕舞った感がある。
 だからこそ今般の大河ドラマ「真田丸」は名誉挽回の好機到来であったが、三谷系の脇役を大挙投入してなお伝統的なオーソドックス路線を歩んでいる。勿論、大河のメインストリームたる戦国時代を舞台に与えられたという幸運もまた否めないが、信長・秀吉・家康以外は必ず後半生は先細りになるだけに如何に天下取りの一角に関与するために知略謀略を巡らせるかの争いになるという基本路線に忠実な一方で、草笛光子氏や草刈政雄氏、或いは徳川方の近藤正臣氏、藤岡武、氏といったベテランに笑いを委ねるバランスの妙を配備していると言えよう。
h402.jpg  或いは本日の堺雅人氏を挟んで双方の武士が互いに相手方の顔を知らないことから生ずる掛け合い、といったシチュエーションは三谷氏の得意とするところであり、新撰組の際には些かはしゃぎ過ぎにも映りかねなかった笑いの要素を旨く時代劇に調和させているのは過去の反省を踏まえ経験則の醸し出した業だろうか。
 元よりPC98ベースのチープな時代から光栄の三國志に馴れている世代には国盗りマップに違和感は少ないが、合戦シーンのカタルシスに欠けるのは昨今の大河に共通であり、ラブコメの様な男女のやり取りもアイドル的な集客力には及ばないのか、残念ながら視聴率ではイッテQの後塵を拝し、現にわが家も先出しのBSを録画している。
 とは言え久々に今のところ初回からフル試聴、天下の趨勢と並行して兄弟の角逐が如何に描かれるのか、現在のベテラン陣が去った後、誰が笑いを担うのか、注目して暫く眺めたい。

2月20日(土) 体格の限界  -育児 - パパ育児日記。-

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 弟は兄の背中を見て育つのだろう、既に三年初から自然とSAPIXに通い、全国八位の表彰状に預かった公資も、参画者が急増する四年からは中野通いが週二回に拡大され、本格的な受験モードに突入する。
 加えてゆとり教育からの揺り戻しの余波は益々著しく、三年前の祐旭に比しても宿題量はなお増大しているとあらば、受験勉強の垢を落とすばかりか一挙に怠惰を貪る兄と立場が完全に逆転した公資も、これも兄の往時と同じく公文式、プールとともに愈々蹴球も引退の決断を迫られよう。
h393.jpg  比較的拘束の緩い杉並フットボール・クラブとはいえ、こちらも四年時となれば平日練習を欠かさぬ精鋭にあらねば試合出場もままならなくなる。元より競技そのものより友人との寄合に参加意義を見い出していた公資だからSAPIXとのトレードオフに見舞われるのは規定路線だったろうが、本人が「成績で体重を補ってる」と豪語するもうひとつのトレードオフは、定常的な運動を欠くことにより最早SAPIXで金メダルを獲得してもお釣りが出ない事態に至らないかと懸念される。
 ともあれ引退試合は淡々と、華やかなセレモニーも無くバックスとして僅かにボールに痕跡を残して、ラウンドを後にするのであった。父の蹴球音痴はこれにて更に加速が掛かろう。

 幸寿司で改めて祐旭の合格を讃える。蟹から始まるコースも立派だったが、今日は単品頼んだ穴子が炙り過ぎず垂れ多めで美味であった。

2月19日(金) 書を棄てず街に出よう  -本・雑誌 - 書店-

h388.jpg  書店経営の危機が叫ばれて久しいが、実際に21世紀に入ってからでも小売店舗数は半減しているという。それは書籍そのものに対する活字離れ、紙からデータへの媒体の変化、ネット販売の隆盛と各ステージにおける三重苦の為せる業だろうが、書棚から溢れた書籍で部屋が埋まりそうな私においてなお新書の約半数はアマゾン経由に他ならないし、ブックオフ等による新古書の高回転もまた実質的な再販制への風穴として機能しているという意味で、新刊書店への打撃には違いない。
 ただそれでもなお書籍を実見して購入を判断出来るのはアマゾンのロングテールと好対象を為す意義があり、即ちその効用は書店側の品揃えの腕前如何に依ろう。取り分け2010年に高円寺駅北口に御目見えしたあゆみBooksには、程好いマニアックさに購買意欲をそそられ、使い勝手の良さから足繁く通ってきた。
 だからこそ今般、創業時明治期の称号「文禄堂」を掲げたリニューアルに際しては寧ろ期待よりも不安が先だったが、蓋を開けてみれば矢張りその懸念は的中したと言わざるを得ない。
 何より扉を開けばいきなり珈琲カウンターが鎮座在しこれだけでも開架部位の減少は確実である。加えて奥にはイベントスペースまで設けられ、通例は移動型の書棚が据えられてはいるものの、音楽・映画といった分野は大幅に縮小の上、中二階に文字通り棚上げされ、売れ行きが芳しくないのか新書に至っては最新刊以外は潰滅に近い。
h389.jpg  本を売るだけでは飽き足らず情報発信拠点を装おってみましたという意気込みは理解出来るものの、これではセンスの良い書店たる本務が疎かになりかねない。
 活字フリークには生き難い世の中。

 金利という果実が負を示すということは原物の現在価値が将来より勝ることを示している。勿論だからと言って一般預貯金の利息はマイナスにならないし、信用想像機能までもが縮小する帰結には陥らないのだが、結果として金庫需要が増しているという現実にはオイルショックでトイレットペーパーを買い漁るのと同じ大衆心理が伺われる。
 政府はマイナス金利の意味=人為的な過剰流動性期待を解説すべきではないのか。折しも「気まぐれコンセプト」の再セレクション版が発売された今、バブルは将来不安よりも現在価値を重んずる刹那的な享楽嗜好にこそ訪れよう。

2月14日(祝) 雨のち晴れ  -スポーツ - ゴルフ-

h385.jpg  三年前の福岡もかくやと思い起こされる豪雨の中、 代車にて向かうは湘南、受験ウィークを終え待望のラウンド解禁も、突然の名古屋行きで練習に支障を来した為、先回りして大規模練習場を訪ねても雨でネットが下がったままと門前払いで梯子を余儀無くされる。
h386.jpg  到着時分の芙蓉カントリーには何とか晴れ間も覗き始めていたが程無く再び雨雲が襲い、スタートを繰り下げてなお雨合羽の手放せない苦しいラウンドとなった。
 だからと言って惨憺たるスコアになったのは雨よりは腕の為せる業に他ならず、何故かドライバーこそ概ね当たっていたのだから、距離は無くともドッグレッグ多数の戦略的配置と雨で水溜まりと化した、とは言い訳に過ぎず苦手なバンカーに捕まり続けたのが敗因だろう。この上アプローチにトップとシャンク、悉くカップに蹴られてワンパット無しでは天候同様に心がどんより曇るのも否めまい。
h387.jpg  ただ不幸中の幸いは豪雨にも拘わらず朝からの温暖で、雨の止んだ午後はうって変わって風光明媚なラウンドに衣更えし、アウト二番はバンカーからウッドでツーオンと期待を持たせたが、回復までには至らなかった。結果として同伴の御仁の、強風追い風とはいえ280y見事ワンオンを拝見したのはよいものを見た感があったが、逆に言えばそれだけだったか。

 金曜には繰り上げバレンタインで義理チョコと要望した義務チョコを、本日は誕生祝を兼ねわが家にてケーキを戴く。
 受領側のイベントが連なるのはお得でもあり不遇でもあり。

2月11日(祝) 十対零  -車・バイク - 新車・ニューモデル-

h382.jpg  兄の臨戦体制に伴う休養から久々に復帰する蹴球へと向かう公資と妻を載せ、右に湾曲する環七を尻目に豊玉方面に直進し、信号待ちから後続車両のクラクションで直進した瞬間、左翼から猛進する車両を認めて右にハンドルを切り、辛くも横からの純然たる追突は回避したものの、わがラクティスの左前部は大きく抉れていた。
 幸い人体には支障なく先ず確認したのは当方の紛れも無い青信号で、通り掛かりの自転車婦人の証言を得る。従って必然的に先方は赤、信号無視である。飛び散った部品を拾い集めて路肩に寄せるが、車軸が歪んでいるのだろう長駆自走は最早厳しい。
 自損こそまま陥ってはいるものの自動車同士の事故は初めてで勝手が判らないが、あいおい損保に聴く限り白黒明快ならばレッカー依頼から否のある側に手配させるべきらしい。事情聴取を受け、後々先方百パーセントの主張が覆らない様にとの交通警察のアドバイスも踏まえ、レッカー移動と帰路のタクシー代請求を先方に委ねる。
 寒空に待つこと事件発生から約二時間、漸く運搬される事故車を後に、徒歩練習場たる小学校へと向かった妻子と合流して一旦帰宅することとなった。
h383.jpg  先方の保険も幸いわが国有数の大損害保険会社であり、15時過には代車が到着とは段取りが早い。同じラクティスとはいえレンタカー仕様か始動がボタンでなく旧態以前の鍵なのが些か面倒臭いが、足が復活したので事故車の搬送された販売店へと赴いた。
 わざわざ一家揃って出向いたのは奇しくも公資が「思し召しだね」と述べた通り、百万の修理代を請求して事故車を復旧させる位なら、新車に乗り替えようとの野望が生まれたからである。
h384.jpg  決して環境派を標榜する積もりは無いが、折しも昨今話題の自動運転には及ばずともその前触れたる最新兵器の威力を、仕事柄からも日々体感したいと目論んでいただけに代替えの契機たるのは間違いない。残念ながら製造側に立脚するだけに値切ることも無く、公資の強く主張した青は三対一で退けて穏便に契約を交わし終えると既に辺りは暗く、販売店の二階に車庫に佇む旧車から荷物を積み替えて漸く二度目の帰路に就いた。
 冷静に見ればレッカーまでの立ちんぼうと一旦帰着後レンタカー到来までの自宅待機の得べかりし利益、並びに肉体的には支障なくとも精神的な慰謝料を如何に積算するのか、腹黒く算段すべきなのだろうが、訴訟天国たり得ないわが国においては結論としては良き経験則にするしかなかろう。
 復元すれば修理費全額もそのまま売っ払えば残存価値分しか齋されないという構造も理屈では納得しても釈然としない感こそあれ、先週名古屋でETCゲートを潜った瞬間に子供達のベルト不備で切符を切られたが為に、一般道にも拘わらず着用させていたのが功を奏したと言うべきか、幾らわが方が交通法規を遵守しても危険はいつ何時到来するやも知れぬとの教訓、暫くは慎重な運転に努めたい。

2月10日(水) お客様の笑顔  -アイドル・芸能 - 芸能ネタ-

h379.jpg  所謂タレント候補と言えば藤原あき氏やバレーの大松監督を嚆矢とするが、大量生産されたのは金権選挙の異名を持つ74年参院選である。全国区でトップ当選した宮田輝氏が比例代表制が導入された12年後には当選圏外の22位に据えられ使い捨てと揶揄された様に客寄せパンダの域を超えない事例は散見されるものの、32歳で初当選した山東昭子氏は実に参院七期の最長不倒で副議長にまで登り詰めている。
 その山東氏が出馬を要請したとの下りは恰も黛ジュン氏がゴールデンカップスを発掘したというエピソード同様の匂いも感じられなくは無いが、今井絵理子氏の出馬が意外性に満ちたものであったのは疑い無い。
h380.jpg  元より知名度を活かして議席を得てから改めて政治活動に臨む順序を否定する謂れは無いものの、18歳投票を睨んだ措置としては世代差が大きいし、福祉票ならば他の団体候補者とバッティングしよう。沖縄選挙区の島尻大臣との相乗効果を狙うには中央主導色が濃過ぎるきらいがある。
 嘗て喜納生吉氏の選挙運動にあたっては、本来対価を求めるべく職業歌手の歌唱の無償提供は買収に値するとして二曲までの制限が課せられたと聴くが、党大会で一曲奏でる様なベタな演出が想像されて少し寒い。

h381.jpg  貸切バス界では全国有数の東京バス・グループの再編御披露目パーティにお招き戴いた。
 社長の幅広い交遊を反映して、政財各界からの決まり文句以上に角界あり学会あり芸能界ありの豪奢な顔触れに圧倒される中、恐らく着包みの構造上視野が狭いのだろう、バスガイド氏に手を引かれて場内を回游するゆるキャラのバスゴリ君も嬉しそうである。
 流石に相当に旬を過ぎたテツandトモのお二人は腹を抱えるには程遠く、残念ながら二曲披露戴いたバクステ外神田一丁目も、大食いのもえあず氏に全く予備知識が無かったので感慨を齋さなかったが、つんく氏作詩作曲の新社歌はアレンジが氏自身で無い為か社歌らしい作りではあれ、多様性に満ちたこの宴の締め括りには相応しいアトラクションであったろう。

2月7日(日) 建造物は明治  -地域情報 - 名古屋・愛知-

h375.jpg  面接を終えた父が名古屋へと急行したのは父の父母が揃って入院たる事態が齋された為だが、丁度受験ウイークも一段落したのでその報告も兼ね、面接後の最終発表を終えた一家も土曜には名古屋にて合流、見舞い旅と相成った。
 父母の住む星ヶ丘と病院の長久手に著しい距離は存在しないものの、乗り慣れぬクラウンでの再三の往復は、一般論として自動車はグレードが上がる程に運転の快適性も比例するとされるが、車幅感覚が心許ない身の上には気疲れを伴う旅路であった。 とはいえ備品の搬送が主だから病院に長居する謂れも無く、単品のうちは市の福祉施設に併設された妙に安価な温泉や古戦場跡、毎度のブックオフ巡り地方版など手持ち無沙汰を埋めていたが、本日午前は明治村へ、期せずして受験明け初の一家で御出掛けシリーズが成立した。
h376.jpg  文字通り明治期の建造物を移築・動態保存する明治村は、東武ワールドスクエアの如しかと思いきやエンターテインメント性は近隣のリトルワールドに委ねており、小金井公園内の江戸東京たてもの園に近似した学術施設である。
 従ってバスツアーの年配ばかりで子連れ客は全く見当たらない。確かにフランク・ロイド・ライトの旧帝国ホテルが存外に小振りに見えるのは天井の低さ故と合点がいっても、前橋監獄雑居房で監獄体験が出来ても、都市変遷評論家のには鑑賞に耐えるものかも知れないが子供心の琴線に触れるとは言い難い。
h377.jpg  ただ公資は兎も角、間も無く中学生活を迎える祐旭には、久々の観光で一翻乗った要素はあろうがそれなりに楽しめた模様で、御出掛けスポットに乏しい愛知の国内旅行振興キャンペーンに寄与すべく価値は垣間見れたのではなかったか。

 再び病院へと赴き、恰も本家帝国ホテルから遠路遙々持参したかを装い明治村にて調達したナースセンターへの貢物も、特別病棟こそ受け取り慣れしていよう受領されたが、ひとつ階段を降りると固辞され診療科毎に風土が異なっている。
 詰まるところ家族の為すべきは備品の調達と衣類の洗濯であり、前者は購入・搬送すれば要は足すものの、後者は病院で融通を効かせてくれてと交渉しても良くも悪くも杓子定規な現代医療は一切手を付けないばかりか、家政婦センターの類の斡旋も受け付けない。勿論野放図にすれば医療費の増大を招くのみならず、便乗せしめる輩も生じようから規則で雁字搦めもやむを得なかろうが、少子高齢化に医は仁術の世界も遠くなりにけり、ということか。

2月5日(金) 家族ゲーム  -育児 - パパ育児日記。-

h373.jpg  本命を見事陥落せしめた祐旭は四日の受験は割愛したが、思いがけず三日の名門校の一次を通り受験ウイークの延長戦が生じたため、付け焼き刃と謂えども面接の練習に挑む。
 ここで面接官役を買って出たのが公資で、質問例をもとに回答を促すだけの役回りの筈が、お父さんは頷き過ぎ、祐旭ともども姿勢が悪い、手は膝の上に、更には即興のお父さんは仕方ないが、事前に質問に目を通しているお母さんは淀みなく、と駄目出し含め講評も行う名采配振りである。
h374.jpg  元より第一志望であったら深刻だが一同余裕しゃくしゃくで家族ゲームの如し。遂には想定外の「兄について」の模範回答まで語り出した公資には、いっそ父の代理で本番に臨んで貰いたいぐらいだった。

 明けて当日、面接に参加したそうな公資を学校へ送り三人で会場へと乗り込んだ。前半戦は本人は体育実技で父母は講堂で只菅待機である。漸く説明が始まったかと思いきや室内に貼り出された注意事項を読み上げられるだけだが、文盲でもあるまいしと憤りを顕わにする強者はいない。
 更にグループに分かれて小部屋に押し込められ、次なる注意事項をやおら読み上げる父を妻がたしなめる。二重跳びのお題に撃沈した祐旭と合流して更に待つこと数十分、肝心の面接は本人が小学生時代に最も打ち込んだこととの問いに、学芸会の大役の労苦を語り面接官から「本格SFですね」とコメントを引き出したのは秀逸だったが、本人二問、父二問、母一問で十分も持たず退散である。
 そもそも地蔵の様に固まっている人の群れの中で、ベルトを緩めてわが方は何番目かと指差し数え、面接の羊蹄には私語厳禁とある待合の廊下でも祐旭と喋り続けと異彩を放った父だったが、果ては校舎を出た瞬間に「散々待たされてこれだけか~」と呟いて、幾ら何でも総員リラックスし過ぎのみならず、この学校はわが家には合わないと妻は観念したという。
 ボーダーでなければ面接は確認に過ぎずさらりと流されたのは吉報なのかも知れないが、かく貴重な機会を、かつ楽しんで体験出来たのも過去問だけで一次をクリアした祐旭の尽力あらばこそである。重ね重ねありがとう。
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