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コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

7月19日(日) 土用の夜の恋人に  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

e243.jpg 当初沖縄を想定していた夏の旅行が返って安価なグアムに更衣えすることとなり、航空券の手配に当たって息子達のローマ字標記を要求され、ハタと気付いたのはヘボン式ローマ字の不便さである。原則として長音を割愛するので幼稚園ゆき組の祐旭は韻を踏み過ぎだし、公資のKoshiに至っては人名であるかも定かでない。実際パスポート取得に赴いたら紙一枚で自在に好みの標記に鞍替え出来たことが判明したが後の祭りである。幸い幼児は最長五年なので長じて自らの好むように改変して貰おう。
 閑話休題。海外旅行には諸々の憑き物が存在するが、その最たるは保険ではなかろうか。確かに巨視的に捉えれば事前規制から事後規制型社会へとわが国もまた行きつ戻りつしながら変貌していく過程において凡ゆる事象は保険数理に還元される傾向が強まるし、嘗て松竹の若きスター・高橋貞ニが自動車事故死した際に残ったのは借金ばかりで新妻も後を追ったとの悲話を教訓に、矢張り自動車事故死した同期の佐田啓ニは多額の生命保険に入っていたがために二人の遺児は長じて俳優として大成した(中井貴恵・貴一)というエピソードは、「保険」の効用かを雄弁に物語っていよう。
 しかしながら理論的にはその意義が理解出来たとして、同時に幾ら世の中に保険ほど胡散臭いものはないと漠たる思いを抱くのもまた自然の摂理ではないか。実際、企業・団体経由、或いはカード等金融事業の付属として、一体自ら乃至は自らの親族が幾多の保険に加入しているのか定かでないケースも少なくない。
 そもそも自動車保険を除く損害保険の加入者は大前提としてその行使は滅多にされないとの暗黙の了解のもとに加入しており、則ち「安心感を買う」以上の効用を見出だしていない。だからこそ世界有数の保険好きである日本人が海外企業に付け込まれたという側面もあろうが、圧倒的にサービスにおいて劣位にあろう新興保険が異様な人気を集めるのだろう。逆に言えば旅行自体の絶対額に対しこの程度ならと財布の紐を緩ませる価格設定によって"安心料"を成立させた保険業界の策略にしてやられているのである。結果的に妻と押し問答の揚句文字通り掛け捨てに捨てて仕舞った私もまた大きな事は言えないが。

 石川なしタイガーなしでテレビ朝日に取っては泣きそうな全英オープン最終日を救ったのは紛れも無くトム・ワトソン選手であった。
 関係者の祈る様な解説の中、出だしから危ういゴルフでヘロヘロになりながら耐えに耐えながら、対に73ホールを超えて力尽きた姿ら感動を誘わずにはいられなかったが、確かに還暦近い人にワンラウンドして即座にもう4ホール回れと言うのは酷に過ぎることからして、あの18番ホールのパーパットを外した時点で勝負ありだった。既に3時を回りTV観戦ももう限界、お互いお疲れ様でした。