コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

4月30日(木) コントラクト・アゲイン

 一般的には本年の黄金週間は五連休がデンと鎮座在しその前後の二連出の何方を休みにすれば九連休になるという点で例年より労働者に優しいと捉えられがちである。しかし反って思い切り飛び石になっていた方が会社に来ない大義名分が得られ易いし、製造業は工場本体が一斉連続休暇になるために管理間接部門は世間の旗日と会社の実質的な休業日とひと粒で二度美味しさが味わる特典がある筈が、稼動が二日続いているとそうも言い難くなる。
 おかげで本日はたいした仕事も無いのに日本人らしい横並びの妙を発揮して会社に登壇した積もりだったが、蓋を開けてみると新たなオーダーが下りて紙をまとめざるを得なくなった。「休暇の取得促進」の文言輝くお題が黄金週間の直前に届いては丸でブラック冗句だが、下問する側に休日出勤・労働強化といった底意地の悪さは伺われず、恐らくはワーカホリック的体質の自然な発露に過ぎず、だからこそ余計に質が悪いとも言える。水とともにロハであるが如く「安全」コストの小さかった誇るべき嘗てのわが国を取り戻すために、人為的に向こう三軒両隣との紐帯を再構築させるべく方向性が、無意識の内に同じ位相にあったモーレツ企業戦士たる記憶をも亡霊の如く喚び寄せているのだとすれば、たとえ社会全体として適解であったとしてもタイムマシンには乗りたくない。

e107.jpg 契約まで交わしながら何等の補填なく合法かつ一方的にそれを破棄される魔法があるとは商行為そのものへの信頼を失いそうだが、慣習として確立されているとは不思議な世界である。
 即ち不動産取引には一般的にローン特約なるものが付されていて首尾よく銀行融資が成立しなければ買主は契約を解除でき、かつ手付金も返還されるとある。確かに数千万の買い物を何時もニコニコ現金払いという訳にもいくまいし、現実にローン不成立のまま契約しても債務不履行は目に見えているから売主側もまた保護したものとも言える。ただ以前は折角特約を付けても内容を曖昧にしたためにサラ金もどきで無理矢理調達させられる羽目に陥ったケースもあり、だからこそ金融機関も特定し額も明示する様になった、その経緯まではよく理解出来る。
 しかしながら厳格に買主保護に配慮し過ぎたがために今度は立場が反転したのではないか。銘記された金融機関以外で融資が認められても特約と異なることを理由に解約出来る、裏返せば金策に自信の無い買主ほど自らの経済環境に照らし敷居が高かろうという金融機関を指定しておけば今の御時勢相当な確度で撥ねられ、少々条件を下げ他の機関に乗り換えて融資額を得てそのまま契約を履行しても良し、特約に則って白紙撤回しても良しのフリーハンドを得られるというからくりである。
 現実に悪意に基づく所作により差し戻しの憂き目に遭ったとは思わないが、おかげで同一物件で二度も本契約を交わすという得難い経験をする運びとなった。白紙になった際はまた毎週末見学客を迎えるのか、黄金週間もおじゃんかと目の前が真っ暗になり、旧借地借家法における家主並に虐げられた売主の悲哀を思い知らされた。幸いにもそれは回避されたものの本日も思いのほか長時間に亘り疲労困憊したが、それはまた別の話し。

4月29日(祝) 天皇陛下のおおとりゲン  -テレビ・ラジオ - 特撮ヒーロー-

e104.jpg e105.jpg
 過日ショックだったのはわが家に程近い愛用の玩具店で発売間もないニセウルトラマンのソフビ人形を父が買おうと促したにも拘わらず、祐旭も公資も「いらない」と即断したことであった。結局父自らの用途として購入する形とし、あればあったでそれなりに従来の怪獣群とともに立派に怪獣ごっこの一構成員の務めを果たしているのだが、わが家におけるウルトラマンの地位の著しい低下は由々しき事態に他ならない。確かに祐旭は大怪獣バトルゲームにも愈々飽きてきて、第三弾からファイナル・フォームライドが付加され幾分絵柄こそ豊かになったとはいえ、依然キック中心なので地味極まりないガンバライド(仮面ライダー)に寧ろご執心であるし、果てはポケモンゲームに浮気したりとウルトラへの拘りが薄れつつある。友人は皆三種四種とカードを集めているが何故自分は大怪獣バトルとガンバライドだけなのかと父に詰め寄る位に子供は所詮移り気であるし、何れウルトラからもライダーからも巣立っていくのは必定だが、責めて儚い抵抗をと時節柄「昭和天皇陛下とM78星雲展」が開催されている訳でもないのに又もやウルトラマン倶楽部へやって来た。
e106.jpg
祐旭は6枚、公資も兄の「ゆ」を獲得
 既にコーチ陣に「大きくなったね」「長時間ありがとうございます」と挨拶され、撮影タイムは開始時に左前方に陣取れば素早く並び易いという段取りを熟知して遂には撮影順第一位を確保する程の顔となっている。それでも午後にはレオ登場の前に特別訓練が設けられ体操のみならずカルタ取りが催されたり、レオとサタンビートルの確執が環境問題にすり替えられていたのはコスモスでもあるまいし些か鼻白んだが、手を換え品を換えの抜かりないリピーター対策が功を奏しているのか二人とも十分に楽しそうで、寧ろ父の方が飽きてきてウルトラ魂が萎えそうである。だがソフビになる程の名のあるウルトラ一族三十数名のうち未だ撮影完了は15氏に過ぎず、越谷は狭い上にウルトラヒーローが常に現れはしないので、満願成就を諦めない限り川崎まで通い続けなければならない。願わくば首都圏西部に新しい店舗が誕生する程に再びウルトラ人気が再燃し、世がウルトラの光に包まれんことを。

4月27日(月) さよならシジフォス  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

e103.jpg 今般の景気対策の採否における大義名分となったのは第一に経済波及効果であるのは言う迄もないが、もうひとつの焦点は雇用創出力であった。長期雇用と高度成長の絶妙のハーモニーとその残り香の中、組合対策と不況期における失対事業に過ぎなかった幸福なわが国戦後労働行政においては、雇用の創出=公共事業以外の何物も意味しなかった筈である。
 しかしながら今回伝家の宝刀であった公共事業に殆どお呼びが掛からなかったのは、乗数効果が低いといった既に聞き飽きた経済合理性からの批判ではなく、早期の用地買収がままならず短期的な建設需要に結び付き難い、即ち雇用促進の即効性に欠けると断ぜられたのだから失対事業の雄としては沽券に関わろうが、カンフル剤は打ち過ぎても効果が薄れるものの、抜き所を選り好みしていると錆び付く怖れもあることを身を以て示す形になった。
 勿論自動車産業としても浮かれてばかりはおられず、建設業に替わる短期的な雇用拡大の効用に白羽の矢を当てられたということは、今後とも不況期には同様の役回りを演じさせられるべく成熟産業の仲間入り果たしたのと同意である。
 折りしも景気対策が国会に提出された本日、時を同じくして開催された国土開発幹線自動車道建設会議においては、かの小泉道路公団改革において新規着工が原則凍結されて以来初の東京外郭環状道路の大泉以南他が整備計画化された。内需拡大をはじめとする従来と変わらぬ観点からの道路投資の意義も当然存続するが、渋滞緩和を含めた交通流の整備による温暖化対策、国土の均衡ある発展のみならず都心部の利便性に重点を置いた環状道の促進など、まさに社会資本整備とは如何なるべきかのメルクマールとして、別の文脈に止揚しつつある面持ちがある。ただ短期、労働集約的土木の意義は語られず、ともすれば錦の御旗の如くBbyCばかりが強調されたここ数年に比べれば息を吹き返したとはいえ、直裁な需要創造の効用を掲げぬ「public」では看板に偽りありと揶揄されても反論材料に乏しい。
 果たして公共性を獲得し「○○は国家」に近付いた民間と、経済性を問われ民に擦り寄らざるを得ない公の相乗り、微妙な融合の中で、この国のニューディールは何処に向かうのだろうか。

4月26日(日) 侍には空がない  -テレビ・ラジオ - 侍戦隊シンケンジャー-

e101.jpg ポケモンよりは随分と父のフィールドに戻ってきて本日は侍戦隊シンケンジャー・ショーである。東京ドームには過去2回ボウケンジャーとゲキレンジャーにお目に掛かっているが、最大の相違は会場が昨日コケラ落としとなったシアターGロッソに移行されたことだろう。かつては満腔の空の下、特等席を確保するためには開場数時間前から長蛇の列の一角を占めざるを得ず、逆に遠目から或いは斜め45度以上の悪条件を厭わなければギリギリに駆け付けても楽々闖入出来る程に収容人員に余裕があったが、屋内となれば当然全席指定にグレードアップされている。しかも舞台そのものもトランポリン・アクションにワイヤーも加わって豪華絢爛さを増しており、照明を駆使した光線技の表現にも趣向が凝らされているではないか。
e100.jpg ただ一方で漆黒の特質を活かして随所でスクリーンを併用し、スカイシタアー時代にはいきなり間抜けなお人形仕様(下写真)だった巨大化後のロボット体も映像で処理されていたが、懐古趣味に過ぎないことを重々承知で敢えて述べるならば、古のチープ感にもまた懐かしさが込み上げて来る。
e102.jpgしかも先着順で別料金扱いだったヒーローとの握手や写真会も割愛されており、しかしながら退場するとちゃっかり参加者自らがシンケンジャーに成り切る撮影コーナーが用意されているとは財布の紐を緩めるよく出来た構造である。
 始まる前は怖れ慄いていた祐旭がいざ開始後は絶好調で公資が泣き喚く同じ展開になった様に、劇場スタイルは博品館はじめ同行巧異曲も少なくないし、集客数が確実に下がるにも拘わらず設備投資に踏み切ったのは常に更新を続けなければならないアミューズメント施設の宿命かも知れないが、恐らくはスカイシアター跡地の転用先も目途が付いているのだろう。"東京ドームシティ"からまたひとつ後楽園が消えていく。

4月25日(土) ピカチュウ書記長  -テレビ・ラジオ - アニメ-

e98.jpg ウルトラマンや仮面ライダー、更に時代を下って戦隊シリーズ位迄は乳幼児と少なくとも対等以上の知識を有する父に取ってポケットモンスターは未知なる領域に他ならない。だからE電並みの気恥ずかしさ漂うネーミング、汐留シオサイトの浜松町側南端に当たる、三階はオフィスビルという新興ビルディングの一角に聳えるポケモンセンターに赴いても勝手がよく判らないし、ウルトラマン倶楽部に初めて足を踏み入れた時の様な血湧き肉踊る躍動感、情熱に欠けるのは疑いない。
 にも拘わらず幼稚園児には明らかに荷が重そうなカード・ゲームのエントリーパックに手を染め、結果として後幾分長ずるまで封印に落ち着きそうとは間抜けな展開だったが、乗り物や遊び場の類は皆無でゲーム機とグッズ販売という実利に徹しても十分な集客が見込める程にポケモンの対象年齢は高い、若しくは幅広いということか。面白いのは記念日に応じてプレミアム・カードが配布されたりそれらを同好の士が交換したりする専用施設が設けられていることで、その趣旨はよく理解出来るものの「ユニオン・ルーム」というネーミングは如何なものか。これでは米国人が見たらピカチュウやポッチャマが加重労働に耐え兼ねてストにでも打ってでるのかとあらぬ誤解を招きかねないのではないか、と邪推するのは些か雇用問題に過敏になり過ぎか。
e99.jpg
ジョーバに勤しむ二人

 実は雨の中濡れ鼠になりながらわざわざ浜松町まで遠征したのはポケモンのためではない。新居の内外装の打ち合わせ、更には汐留本体のPanasonicLivingショールームにおいて、リビング用造り付け棚を実見するという重大な責務が存在したのである。
 ならば本来はお目当ての品のみ凝視してさっさと踵を返せばよいのだが、INAXでもそうだった様に照明やら電化製品やらひと通り目移りした後、居並ぶマッサージ機に一家で身を委ねて仕舞うのも人の性であろう。嗚呼矢張り体力の無いわが家には必需品に違いないが、それにしてもパナソニック電工という木に竹を繋いだような、西欧人の描いた間違ったオリエンタル文化もどきのネーミングは如何なものかと思いながら、徐々に眠りに落ちていくのであった。

4月24日(金) 超えてる飲料  -グルメ - ドリンク-

e94.jpg 今週は日曜から立ち仕事に続けて愛知県出張を挟み、宴席が少なかった替わりにパーティーの後に取って返して珍しく会社の階の最終退場者になったりと目まぐるしかった。しかも漸く終盤になって落ち着くと思いきや束の間の休息に過ぎず、今度は家の件で暗転、奈落の底に突き落とされるとは気の休まる暇もない。間もなく黄金週間、来週はゆっくり世俗の垢を落としたい。

e97.jpg e96.jpg
 缶珈琲最大のシェアを誇るコカコーラ・ボトリングのジョージアは全く自動販売機の代数比に依存するものに過ぎないというのが個人的な見解だが、それでも従前に比べれば大分と改良されてきた感がある。
 取り分け今般「ウルトラ微糖」の字面には目を見張らされた。それはわが家がウルトラ一族の一員であるかの如く件のネーミングに過敏に反応するための思い過ごしではなく、現に広告にマンを起用していることに鑑みても端から"ウルトラ"の字面の訴求力を計算に入れたものに他ならない。勿論ダイドーの「復刻堂ウルトラサイダー」の様に、もろにウルトラ兄弟の絵柄を缶に誂えれば低年齢層を中心に確実な需要が望め、事実間もなく第二弾が投入される程に好評を博している模様だが、当然それなりのマージンを円谷プロに落とさなければならないし、広く老若男女に愛されるかと言えば際物過ぎて保証の限りでない。これに対し「微糖」方式なら広告費だけの拠出で済み、ウルトラの文字に惹かれない消費者群には単なる"猛烈な微糖"にしか映らないから合理的である。意外にマーケティングに秀でているのだとしたら認識を改めなければならない。

4月23日(木) 蛙の子  -政治・経済 - 政治家-

e93.jpg 左翼崩れは労務管理が旨いとか、親台派の福田総理だからこそ日中平和友好条約は批准に至ったとか、自らの立脚しない側の主張に組みすることで対症を図るという手法があるが、小沢代表-鳩山幹事長のコンビが打ち出した「世襲禁止」もまたこの文脈に則れば天に唾するものでなく、自民党側の総裁、古賀選対委員長を除く三役の顔触れを眺めてみれば寧ろ説得力ある問題提起とも言える。
 確かにブッシュ父子やケネディ家の様に歴史の無い米国においてなお"貴種"は存在するものの、宮澤喜一氏以降16人の総理のうち村山、森両氏を除く全員が二世乃至は三世議員というわが国のあり様は少なくとも先進諸国においては群を抜いており、それは小選挙区制の導入により更に進行を余儀なくされている。だからこそ三親等内の親族への選挙区の継承を禁止するのはわが国が対外的な姿勢を示す意味でもひとつの試みではあろうが、世襲のデメリットとして人材のリクルーティングにおける大きな不具合に留まらず、俗に"地盤"と称される選挙区と当該選出議員の強過ぎる結び付きに伴う、卑近には汚職等の怖れ、より政治的な含意として議員個々が国民代表的側面以上に地域代表性を色濃く帯びるが故の弊害迄をも視野に入れるならば、行き着くところは世襲の制限に留まらず同一選挙区における連続立候補に何等かの規制を設ける方がより効果的であろう。勿論それは英国の如くに、新人候補者は党派にとって敗色濃厚な選挙区での実績を重ねてはじめて安泰な選挙区を与えられ、長じて地元の些事に必要以上に束縛されることなく国政に専念出来るという、長らくの間に築き上げられた慣習として成立するのが望ましく、コスタリア共和国の様にあからさまな立候補制限は形式上の選挙区からの独立性に堕する恐れはなしとしないだろう。だからと言って手を拱いていてよい理由にはならないが、こと世襲だけを目の敵にするのもそれこそ選挙目当てで些か短絡的に過ぎる。
e95.jpg 忖度するだに「小沢代表の提唱する企業団体・献金の禁止」も同じ文脈にあり、本来は原則として金銭の流れがオープンになればその公開情報を元に選挙民が判断すれば済むことであり、オバマ大統領が選挙戦において公的資金を受領しない替わりに選挙資金の投入額はフリーハンドを認められたのと同じ位相にある。ただ個人の寄附文化の存在しない-それ自体は社会の階層分化の小ささを示すプラスの指標であるかも知れないが-わが国において額の制限を取り払えば、政治というフィールドに影響力を行使するアクターとして企業と労働組合のみがパワーを抱き過ぎるという問題点が明瞭になり、結果として何等かの制限が必至であるならば現実に企業団体・献金の禁止を標榜している米国こそがPACたる脱法行為に長けたという経緯に鑑みても、資金団体間の金銭の授受をガラス貼りにする等、一定の企業・団体献金の存続を前提とした改良主義的な制度設計こそ真に求められるのではなかるまいか。
 "クリーン"のみに重きを置いて政治活動の手足を必要以上に縛り、名望政治家のみ存立し得る国家の勃興期が如く環境に帰するならば三光汽船の悲劇を繰り返す愚を冒すのみだろう。

 スマップの草剪メンバーがすっぽんぽんになり逮捕された。同じく刑事事件を起こした他のメンバーや、等しく"猥褻"の名称を持つ違法行為を犯した元大洋の投手らに比べれば明らかに形式犯に過ぎず、「裸になって何が悪い」と言われてみると我々も出向時代には六本木の某飲み屋で他の顧客も存在する中でいきなりズボンを剥ぎ取ったり取られたりしていたから、苦笑しつつ頷かざるを得ない。
 それにしても過剰な郵政叩きに続き又もや物義を醸したのは鳩山総務相で、まさに地上派デジタル前倒しを含む経済対策が間もなく国会に上程されるのを尻目に、2011年迄続く筈だったキャンペーン・キャラクターに予想外の行動を取られれば腹立たしいのは当然とはいえ、何もそこ迄罵倒せずともと言いたくなる程の奮戦振りであった。こうしてみると企業献金の必要なし、選挙区は母方の九州でも構わないというのが本当に政治家としてあるべき姿なのか、併せて疑わしくなってくる。

4月22日(水) 忍び寄る  -アイドル・芸能 - 芸能界のニュース-

 不思議なもので三年振りに歯科を予約した途端に益々歯が痛くなって来た。妻の家が代々通っていた青山の歯科で永田町勤務だった頃には至便だったが、水道橋に隠遁した現在はちょいと抜け出してというのには些か距離がある。しかも丁度前回大枚叩いて誂えた人造歯に隣接する生歯との両者の、歯茎側の隙間から虫食いが生じているというのは些か腑に落ちない感もあるが、ガリガリと削られ丸一時間、相変わらず麻酔が効き難く「痛いですか」等と怪訝な顔をされながら何度も注射針n洗礼を浴びて非常に疲労した。挙句の果てにボーナス6割カットにも拘わらず、6桁に及ばん治療費を提示されげんなりす。こまめに歯科検診に訪れなかった報いと言われれば反論の余地もないが、地獄の沙汰ではないものの健康も金次第ということか。

e92.jpg 昨年から元ゴールデンカップスのデイブ平尾、元テンプターズの大口広司、そして今般元ジャガーズの岡本信と、還暦前後でグループサウンズの雄が世を去っていく。思えば井上忠夫にしろアイ高野にしろ似通った享年であったのは世代的な同一性か或いは一斉を風靡した芸能人たる業なのか。
 ミック・ジャガーの様に若かりし頃は薬でボロボロだった体が年を経るに連れ周到なヘルスケアにより反って元気になっていくというのも果たして何方がよりミュージシャンらしい生き方なのかは議論の別れるところとしても、かまやつひろしやミッキー吉野、更にはジュリーやショーケンの如く超大物とは様相を異にした、古稀を迎え枯れた"GSの歌い手"というジャンルにもまた別個の味わいがあったのではないかと想像すると、決して彼等の全盛期に慣れ親しんだ訳ではないのだが、歌謡曲フリークとしては少々寂しい想いがする。

4月20日(月) 八か十か  -グルメ - 美味しいもの-

e90.jpg e91.jpg
 このところ経費も縮減の一途なので愛知県出張に当たっても自力救済すべし、なかりせば会社の寮に泊まるべしとは足を遠退かせる大義名分にしかならなかろう。貧すれば何とやらだが、エコカー試乗会を終えるとその足で名古屋へと赴いたのだから貧乏暇なしである。幸い本朝は研究所への登庁となるため親の家からでも大きなタイムロスはなかったが、現場を見るべしとの講話を賜った後に、隣接する圃場に足を踏み入れることもなく蜻蛉返りするのは気が引けるし、職務としてもわざわざ足を運んだ甲斐が薄く、個人的にも好奇心の満たされぬまま欲求不満である。糊代の少ない生活からは得られるべき果実も少なくなろう。

 ところで名古屋訪問で驚いた事案がふたつ。先ずはJR東海の売れ筋商品であったかは定かでないが、毎度旅のお供として愛食していた「たこの唐揚げ」が突然「いかの唐揚げ」に化けていたこと。味付けも似通っているし大禍無さそうに見えるが、想像するだに蛸より烏賊の方が格段にコストが小さいのだろう、明らかに「いかの唐揚げ」は固いのである。それはそれで"お酒のおつまみに"といった大義名分は誂えるのは可能かも知れないが、虫歯を抱えた身には少しばかり辛いのである。
 もうひとつは到着して書店に入ったら、河村たかし市長選候補者の新書本が大量に並んでいる光景である。近著なら兎も角昨年秋の発売であり、当該店舗の思想・信条に依るものでなく単に売れ筋と認識してプッシュしているのだとすれば空恐ろしい。名古屋市の夜明けは遠そうである。

4月19日(日) 綺麗なプリウス  -政治・経済 - 環境・資源・エネルギー-

e87.jpg 減税と環境対応のアピール、総理と子供達の触れ合い、そして(準備が七面倒臭いので有難迷惑な側面も否定は出来ないが)自動車会社への恩恵の一石三鳥を狙った「自民党エコカー試乗会」が開催され、日曜午後の永田町に不似合いな背広姿が大挙林立することとなった。
 まだ発売前の新型プリウスとその好敵手とされるインサイトの並ぶ絵柄は自動車フリークには垂涎の的かも知れないが、このハイブリット両車に加え三菱、スバルの電気自動車、日産らのクリーン・ディーゼル、果てはプラグイン・ハイブリットと各社の"売り"が勢揃いして、互いに横目で眺めながらのスパイ大作戦も含めて静かな火花が散ることとなった。
 私の主たる役回りはカメラマンに過ぎない。勿論、自ら率先垂範し趣味と報告書作成の一貫との実益を兼ねての着任であり、昨日会えなかった分まで撮影に勤しもうかとの思惑に基づいている。そこで段取りを承知している運営側の強み、一旦母屋に入った総理が程なく各車との記念撮影に及ぶことを見越し、恰も報道陣の一員であるかの顔をして事前にポジション取りをしておいたのが功を奏したか、新聞各紙に見劣りせぬ構図を確保したのであった。こうした時一眼レフを構えていると如何にもそれらしい人に映るのも計算ずくである。
e89.jpg しかしながら計算外だったのは開始前でまだプロトタイプ段階の車が登場したはいいが試験走行が主で対外的なお披露目は視野に入れていないから、わざわざトラックに格納されて秘やかに運搬されてきた割には驚く程に汚れている。流石にそのまま総理の眼前に突き出す訳にはいかないが、公道を走るナンバープレートも持っていないのでちょっくらスタンドまで洗車に出掛けることすら叶わない。結局雑巾片手に手洗いに励むこととなったが、もう10年以上前に有していた父のお古のビスタも遂ぞ一度も自ら清めることなく雨が降れば汚れが落ちて洗われるる状態だったので紛うことなき初体験、四十の手習いとはまさにこのこととは意外な展開であった。本年中に車を買ったら偶には洗車をとの神の啓示、と見做すのは止めておこう。
次のページ

FC2Ad