コラム堀内一三

~粥川善洋の四方山コラム~

6月9日(金) 下町自動車  -車・バイク - 自動車全般-

h932.jpg  自らが事務局で無い視察随行とあれば、通例は主賓とアイコンタクトすれば実質的にお役御免で、後は隊列の最後尾で視察の御相伴に預かるばかりの有り難いお役目のところ、今般はタイトな日程の中、処々で懇談要員として出番が訪れたのだから、端無くも政治担当の存在意義をアピール出来ただろうか。
 しかも自動車そのものの組立ラインか博物館の類が定番のところ、今般は物流センターに闖入させて戴いたのだから、知識の習得としても極めて有意義で有り難い話しであった。
 国内外への部品搬送の大元締めたるそれは、黒猫の羽田クロノゲートに比べれば多分にアナクロで人力に依存する要素が大きく伺えるが、最終消費財たる完成品で無い分、品質管理の行程が加わるので敢えて手間を掛けていると見るべきだろうか。
 所謂"看板"に値するバーコードを読み取りコンベアが自動で行き先を振り分ける基本原理は同じで、寧ろ知識に長けていないと複雑で彼我の相違を伺い難い自動車の工程より分かり易くて面白い。人海戦術に頼る要素が未だ大きい分、例えばより梱包し易い商品・部品を製造工程に逆提案するなど、逆に言えば物流ーロジスティクスこそは生産性向上の余地を残しており、製造業にとってもまた可能性を秘めた分野に他なるまい。
 更に後段は盛り沢山極まりない味噌カツの昼食を挟んで、まさに匠の技と言うべき手作りに近い生産ラインに赴く。滅多に工程が進まないスロータクト故に忙しい見学に不向きであるのは否めなかったものの、家内性手工業的な「ものづくり」を現代に再構築するのは恰も遷宮の様な技術の伝承は元より、敢えてその工程を広告塔としても流用することにより、プレミアム感がブランド・イメージの醸成に資する効果を狙うのも付加価値の有り様のひとつに違い無い。そして手作りが相応しかろう最高級車のみならず、先端技術の粋を集めた新エネルギー車もまた、もしかするとこちらは部材そのものの生産乃至は価格とのコスト・バランスが制約要因なのかも知れないが、同様に手作り感溢れる生産工程にあることが喧伝されれば、こちらもまた稀少性に基づく飢餓感を高める、別の物語に説得力を与えることになろう。

h933.jpg  朝8時半スタートだったので前泊必須だったが、おかげで来週から長旅に出る同僚の生活環境を、ロケハンの如く深夜に最寄り駅の周辺を練り歩いて下見が叶ったのである。
 しかも微妙にズレてはいるものの、どうやら勤務先は物流センターに隣接する工場であり、奇しくも25年前に私が実習生として暑い夏を過ごした地である模様であると、昨日判明したところであった。現地現物の1.5日。

5月31日(水) 古希を超えたら  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

h928.jpg  日本国憲法が70年なら、 参議院も70年、そして本日、日本経団連もまた70周年パーティとは、1947年という年は戦後わが国が現在の形に落ち着くひとつの節目だったということだろう。
 勿論、憲法が耐用年数の限界を迎えているのと同様に、経団連もまた生きるべき道を問われており、それは既に私が駆け出しの広報マンとして財界担当を務めていた時分からの課題であったが、そのひとつの回答が春闘の対決色の低下と社会保障費の労使を超えた財政問題化に伴い役割を終えた財界労務部・日経連の吸収であったろう。
 而来15年、政権交替による迷走を挟み、再び政権との蜜月関係を築いてはいるものの、今度は逆に政府の一翼と化したが如く振る舞いに疑問符も投げ掛けられている。
 結果として小泉政権の最大のエンジンとなった経済財政諮問会議に参画する段階においても、元より内に入り込み経済運営をリードすべきとの思惑であったろうが、寧ろまわしを絞めずにアリーナからモノ申す財界総理であるべきとの視点は存在していた。ただ経団連自体が財界の保守本流と認知される以前、財界四天王が君臨した時代の、政権を編み出す様な国家そのものへの強い影響力行使を想起するのは、成熟した現代社会においては郷愁に過ぎないと言っていい。
 或いは大企業対中小企業たる不毛な対立構図の解消への一助として、商工会議所との統合は企図されるべきかも知れないものの、振り替えれば財界総本山にも最早会長経験会社である東京電力、東芝の影は無く、定番だった"三井"の枠組みとは縁もゆかりも無い、わが国電機産業の数少ない生き残りが次代を担う道筋が伺われる。
 今更ながら国対国とも言うべき国際競争の時代にあっては、政に対峙する財などと高見に構える余裕など無く、寧ろトランジスタに替わるソフト・インフラのセールスマンを自認して政経不可分の旗印を打ち出す、商人の自覚に覚醒するのが71年目からの課題なのかも知れない。
 パーティは中途に記者会見を挟むため、首脳陣が会場を後にして開会から凡そ20分程で実質的な中〆めとなる。広報マン時分はここからが本番だったが、改めて主を喪い所在無げに残された関係者の群れに漂う如何ばかりか弛緩した空気は、今の「財界」の立ち位置を物語っているのかも知れない。

 ところで今日の昼食会は到着すると既に満席で、ならば飯抜き椅子のみの補助席扱いで全く構わなかったのだが、あにはからんや前方来賓席に案内されて仕舞った。
 しかもこういう時に限って、その高い席に陣取るべく御歴々が続々と現れ、しかも昼食会の定番に相反して一様に中座しない。議員の隙間に何故か一般人が垣間見える不可思議な光景が、聴衆方々から丸見えで好奇の眼に曝されなお気まずい。お出掛けの際はお早めに。

3月31日(金) 割増しは幾ら  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

 ジョブ・ディスクリプションの明快で無いわが国企業においては、余程"独自の闘い"の研究職でも無い限り、一人の休暇は周囲の人間への一時的な負荷の増大を意味する。
 元より携帯電話や電子メールの常態化により、たとえ休日であってもテレワークの世界は成立するから時間管理の現実との解離が顕わになっているとはいえ、逆にだからこそ祝日を増やして「赤信号、みんなで渡れば」ではないが、世の中一斉の休業を促進するのがわが国らしい手法と言えよう。
 そこに第三次産業の労働強化の危惧を読み取るか、それ故に尚一層の生産性の向上が必要と受け止めるかは表裏一体である。勿論、サービスを享受する側も15時に戦線離脱したとして早々に宴席を設ける展開には及ばなかろうから、総理の様に座禅も組めないとあらば、結局は早々に帰着して運が悪ければメールの対応に追われるのが関の山かも知れない。
h868.jpg  しかも間の悪いことに年度末に直撃し、第二回にして早くも実効性の危ぶまれるプレミアム・フライデーであった。結局、父の退院で今度は夫婦で名古屋遠征となったため、別の意味で大いに個人消費の拡大には貢献したのだが。

 昨日は販売店にて大幅な架装を施した自動車二台を奉納、修祓式に日枝神社を訪れる。永田町が職場の様なものだから折りに触れて足を運んではいるものの、昇殿するのは実に公資の御宮参り以来で厳かな心持ちに襲われる。
 しかもお祓いを終えるとセンチュリーが待機しており、期せずして元衆院議長の御仁にも遭遇して仕舞ったではないか。現役時代、上京中は必ず日に一度参拝されていたとは伺っていたものの、程無く卒寿を迎えられる今も足取りは全く乱れていない。
 神社で大神官猊下に拝謁して更に霊幻あらたかな発車オーライ。

2月20日(月) 秘密基地へようこそ  -車・バイク - 電気自動車-

h837.jpg  三島に到着すると辺りは俄かにかき曇り、雨が滴り落ちて来る。元より視察といっても屋内が大半だから著しい支障は無いものの、同じ企業の禄を食みながらもかく随行の機会が無ければ拝察出来ない秘密基地に挑むには、出来ればゴルフ日和と同等の快晴を希望していたのは偽りの無いところだろう。
 勿論、話題のサンドボックスの対象のひとつとしても悪天候で白線の見辛い条件下における自動運転というお題を与えられたと受け止めれば得難い舞台設定であったし、ナムコのポールポジションに毛の映えた様なものをイメージしていたら、いきなり月面に着陸したアポロの如く球体の現れたシュミレーターも巷では到底御目に掛かれなかったろう。
 ハイブリッドが当面主流を占めるにしろ、水素か電気直接なのか将来のエネルギー源が何れに転ぼうとも鍵を握る、非液体の電池開発が、恰も波間から大量に飛び出す心霊写真宜しく絶縁体で覆われた腕型の溢れる、アナクロから生み出される最先端というそれこそハイブリッドな絵柄には、製造業の底力であると同時に研究開発過程が家内製手工業から何れバーチャルな画面上の世界へと転換されていくべきなのか否か、考えさせられるひと駒だった。

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 雨も粗方上がり三島駅にて細やかな打ち上げとばかりに寿司を摘まもうと、通例の如く穴子八貫を頼んだ積もりだったが、沼津港から産地直送でもあるまいに須く一本握りの穴子三昧が訪れるとは驚愕せざるを得ない。
 幸か不幸か元より大好物だけに躊躇なく平らげ、確かに美味な上に安価には違いなかったが、敢えて遅参見込みだった会合にもオンタイムで間に合い、しかも中華なら採り分を控えればと目論んでいたところ腹一杯のイタリアンとは流石に箸が進まない。
 それでも哀しいかな赤色のパスタもまた口に合うだけにいざ箸を付ければ速やかに腹臓に収まり、こういう時に限って珍しくご相伴に預かる立場かつ元政府高官の御大のお薦めでメインが巨大なお肉とあれば肥る道理も覆せまい。
 月曜から胃腸に厳しい船出。

2月16日(木) 裸足で駆けていけるなら  -政治・経済 - 政治・経済・時事問題-

h834.jpg  私立中高一貫校らしい受験休暇の狭間の一週間に丁度インフルエンザが当たり、二月前半は学校と縁遠くなった副産物として、従来以上に練習に勤しんだ賜物なのだろうか。音楽祭合唱の、今年より新設された伴奏者の部で見事優秀賞に輝いたというのだから祐旭も立派なものである。
 更に言えば平日のため学外には非公開で、妻の撮影した映像で委細感動の瞬間を疑似体感したのだが、指揮者賞に同じクラスの御仁が選ばれた、発表の際のわが事以上の素直な喜び様が実に祐旭らしく微笑ましかったのではないか。

 サザエさんの一社提供が崩れた時分には明確な記憶がある。友人の御成婚二次会のテーマにサザエさんを掲げ、冒頭のナレーション用にと番組を録音すべく構えていたところ「この番組は未来を創る~」ではなく「東芝とご覧のスポンサー」の口上が、フグ田サザエ氏から発せられたのである。
h835.jpg  既にこの頃は次回予告の「ンガング」こそジャンケンに代替されていたものの、日曜夜の「サザエさん現象」が取り沙汰される程に、永遠不変の存在だった番組のひとつの転機に他ならなかった。
 元より先の大戦中に急遽マスオ氏と婚姻し、戦後実家とともに上京した磯野家とは本来一世代以上の解離があるが、丁度幼少期の朝日新聞で絵文字による「サザエさん打ち明け話し」が連載されていたことからも、ノリスケ氏は親族か元下宿人か論争に熱く参画する程にサザエさんの世界には馴染みが深かった。世評揶揄される様に、何故平屋建ての旧式日本家屋にも拘わらず家電製品だけは常に最先端なのか、といった疑問にも親しんで来たのである。
h836.jpg  同時に小学校五年の社会科見学はサントリー府中工場と東芝科学館であった。今となっては何故に府中と川崎を遠征したのか、或いは東芝府中に分館の様なものが存在したのか判然としないが、京浜工業地帯の代表選手であったのは論を待たない。 白物家電から撤退した今、東芝にとってサザエさんの価値は大きく低下していようが、重電だけは自動車とともにわが国を支え続けて呉れようとの期待が淡くも裏切られた、サザエさんからの撤退が現実になればその象徴的な意義は小さくない。
 98年の御成婚二次会では中央に大きな木を誂え、マスオとサザエに扮した新郎新婦以下、「ほ~らほ~ら、みんなが~」と謳いつつ一同下手から現れ、木を境にいきなり行進スタイルになるエンディングを模した余興を披露した。プロデューサーだった私は一族でないアナゴ君として特別枠で隊列に加わっていた記憶がある。
 躍りと行軍の分水嶺となったあの木なんの木、気になる木、と冗談めかしている場合でもないが、次期財界総理すら伺う日立と何処で運命が分かれたのだろうか。

1月11日(火) ここでタクシーさがし  -車・バイク - 自動車全般-

h799.jpg  須く倫頓を手本に仰ぐ必要は無かろうが、ブラックにしろイエローにしろ一見してタクシーと判る独特な形状は異邦人には解り易いのかも知れない。なる程わが国においては企業毎の色鮮やかなボデーがタクシーたるイコンを代弁しているとも言えようが、障害者乗車の円滑化も含め東京五輪に向けた次世代タクシーとなると結局は倫頓タクシーの亜流に回帰するのは、そもそも乗合自動車として優れた形状なのだろうか。
 タクシーと言えば供給過剰を齋したとしてひと頃は規制緩和の悪例の代名詞だったが、今月末には都内の初乗り運賃が400円前後に引き下げられ、替わりに長距離は値上げとなる。
 嘗ては駅で客待ちしていたタクシーには「近くてすみません」では済まされず、更に万札を出そうものなら降車拒否に遭遇するのも屡々、名古屋では流しのそれは安易に捕まえず大手二社を無線で招聘すべしと指導されたものだが、高齢者や訪日外国人の短距離移動に資するとの大義名分のみならず、自民党本部から第一議員会館は足腰が退化しそうでも会館から霞ヶ関に急行する際には重宝しよう。
h802.jpg  アプリから気軽に呼び出せる様になれば客待ちするタクシーの行動様式も大きく変革しよう。考えてみれば既にホテルに大量のタクシーが屯していたのも今や昔、長距離客を捕まえる嗅覚という職人技もまた、"繋がる"通信技術の波の中に体系化されていくのだろうか。

 議会は須く会派を単位に運営され、政党とは飽く迄院外の私的集団に過ぎないとの論理は、当代に至るまで政党に法人格を賦与する法的根拠が政党助成法以外に存在しない法理からも明らかである。
 実際、議員内閣制でない地方議会においては同一政党内に複数の会派が並立する事態は必ずしも珍しくない。
 ただだからと言って都議選を半年毎に控えたタイミングで最大会派から離脱した新会派「新風 自民党」の三議員の公認を認めるという判断は、現行会派に何等かの瑕疵が存在すると党中央が追認したが如くあらぬ疑いを招きかねまい。
 元より想定される"都民ファースト"党の攻勢を柳に風と受け流す為の、鵺宜しくの融通無碍さが政権政党の長年の知恵と割り切って仕舞えばそれ迄なのだが。

12月8日(木) 砂の果実  -政治・経済 - 税金-

h770.jpg  そもそも消費増税までの過渡的な措置が主であり、早くから注目された扶養控除の所得税法改正には特定のバーゲニング・パワーを持つ集団が存在しないが為に、総じて今年の税調の攻防は静かな印象が強かった。
 この中で「第三」をターゲットとした酒税を除けば、今年も自動車は焦点のひとつであった。ただ顧みれば毎年の様に、些か斜に構えた表現を用いればお祭り騒ぎが繰り広げられるのは、勿論物品税時代からの個別課税の色合いを強く残す税制度だけに消費増税に伴う攻防が繰り広げられるのは理解出来ようとも、10%までに三年近くを余す本年において、その前哨戦とも言うべき官庁文学の世界を除けば、些か不可解であろう。
 その謎を解く鍵はリーマン・ショックにある。景気の著しい悪化に発足直後の解散総選挙を断念した麻生政権は、最終消費財の活性化をターゲットとした経済対策を編み出し、その中に自動車・電器への補助金・減税策が組み込まれたのである。
 そして異例の、国家による個人給付であった前者こそカンフル剤としての短い生涯を全うしたが、所謂エコカー減税は現在に至るまで命脈を保っている。元より自動車の保有に伴う税負担については既に21世紀を迎えた段階で環境負荷に伴う軽減措置が謀られていたが、取得時の減税策は美しく言えば個人消費の喚起、裏返せば企業に取って販売促進に直結するのだからその延命を願うのは必然だろう。
 現実には導入時こそ短期的な税収減を犠牲にしても景気回復を優先すべしとの文脈が、大不況のなか財政当局にもまた呉越同舟共有されていたものの、消費税上げが延期されたのだから現下もまたリーマン級の消費不振であると居直ってみても詮無く、少なくとも取得時は 「環境負荷軽減の為の代替促進」が大義名分である限り、新車の九割が対象という事実は製造側の開発努力如何に拘わらず、些か広範に過ぎるとの主張には対抗し難かろう。
 実際には景気への配慮のみならず激変緩和の観点からも中庸の決着に落ち着いたが、詰まるところ租税特別措置という禁断の果実に手を染め、その攻防に血道を上げる構造が固定化されたが為に、却って自動車諸税全体、更には産業の範疇を超えた税負担の配分たる大命題に辿り着かない構図になっている。
 産業としての担税力と経済対策、奢侈品としての資産たる自動車と生活の足となる公共物に近似する要素、更には環境に加え安全の視点が加味されるとするならば、消費税10%という大きな節目までに何等かの整理は果たして謀られるのだろうか。

10月25日(火) 昔むかしのつい最近  -政治・経済 - 経済-

h733.jpg  先週の記事である。
 「自動運転、地方が熱視線/白馬で実証実験へ」。
 いやはや人口知能もここに極まれり、馬の脳に直接働き掛けて手綱を引くことも無く、二酸化炭素もガスも排出しない無公害の、軌道を持たない馬車鉄道という新たなモビリティ・システムに着手するということか。
 或いは逆に競争馬の敏捷性や本能的な衝突回避の知恵を自動運転の一要素として抽出するのか、いや白馬という位だから五輪に馬術で出場する様な馬の優美さに、自動と謂えども運転者の乗り心地を勘案した、自動車の愉しさを追求する試みだろうか。なるほどビッグデータと言う位だから、いっそ豚でも実証してピッグデータも仕込んだら如何だろうかなどと妄想は膨らんで仕舞った。
h726.jpg  頭蓋骨の容量が脳の発達への阻害要因として腹への移植により進化を促した結果、暴走した愛馬の悲劇を描いた"アルジャーノン"ばりの手塚治虫氏の作品が脳裏を過るが、実証は黒い白馬に跨がって、前へ前へとバックしないことを切に願いたい。

 わざわざ宴席を回避して史上初のパーティ五件の梯子。
 東プリが改装に入って定番会場間の距離が大幅に凝縮されたのが離れ業を可能にしているが、憲政で本人と握手してそのまま裏から忍び足、都市センター経由、お馴染みのルポールは合流した同僚にリレーして後を託す。更に全日空では点心を補充し、オーラスの京プラに辿り着く頃はヘロヘロである。
 言う迄も無くパーティの増殖と選挙の蓋然性は正の相関を示す筈だが、後者は日に日にトーンが落ちている。しかし逆には相関されずパーティは減らない。

10月15日(土) クロノスの微笑み  -ビジネス - ビジネス-

h716.jpg  子供とお出掛けシリーズも中学生となると知識の習得に結び付く様なとネットも漁ってみるが、昨今流行りの工場見学の大半は平日のみで偶に土日稼働のそれは概ね数ヵ月先まで満員御礼が続いている。
 従って既に竣工から三年を経て休日に視察の空きがチラホラ現れたからには違いないが、兎角"ロヂ"と蔑まれるわが方の輜重兵の5分の霊が物流への共感を喚起した結果が、羽田クロノゲートへと導かれたとも言える。
 羽田の守護神、穴守稲荷に程近い立地は陸海空の結接点であり、わが国最大の宅急便のハブ、分別基地であると同時にヤマト運輸の宣材拠点を兼ねている。
 高速のコンベアに載せられた荷物は、ベルトが区切られた「セル」の差配で地域毎に分別され各地の拠点へと主には陸路で運ばれていく。
 ベルト相互の合流・分配における速度や荷物を押し出す為の傾斜の微妙な自動調整が技術の魅せ所であり、物流にこそ当面最も求められる自動運転は矢張り自動車単体に留まらず路側の対応が必要とのメタファと受け止めるのは些か思想が偏っていようか。よく見ると処々小さな荷物はセル間に挟まったりもしているが、荷物は物を言わないので事後的な修整の許容範囲であれば過度の厳密なシステムは必要無いのだろう。
h718.jpg  大阪にも同様のシステムを配備すれば関西圏までの当日配送が可能になるとの解説だが、狭い日本をそこまで急ぐべきかの是非は別として物流産業はまだまだ飛躍の余地があり、引いてはサービス業のインフラ・パッケージとしてシステム輸出の大きなタマたり得るのであろう。
 人の姿が疎らなのは、実は非公開領域に押し込められた従僕が蠢いているのではないかと邪推するのは労働集約的な先入観の為せる業であり、原始的な仕分けも機械に代替されつつある証佐たろう。
 顧客に直接結び付くスポークの部分は人海戦術に頼らざるを得ず、だからこそ顧客から連絡しない限り再配達に現れない日本郵政よりも使い勝手がよいのだが、最終消費財同様に目に見える行程が多い分、老若男女を問わずPRには適しており、3Kイメージの払拭は業界の地井向上を促し、拠点における自動化と相俟って生産性の向上に寄与しよう。元より単純労働の雇用の受け皿機能は低下しようが。
h717.jpg  新機事業の解説もあり、壊れたら新品が送られて来るソニー型の商慣習が定着する中で、恐らくは利幅も需要も小さいとはいえ、修理まで川下に委ねて仕舞う電機産業は庇を貸して母屋を取られないかと心配になったが、本予算並の母屋がおかゆ状態ではアウトソース可の部分は限り無く分離したいのだろう。寧ろ実物の流れを握っている物流の新たな強みが活かされたと肯定的に捉えるべきだろうか。
 撮影不可かつガラス越しばかりで隔靴掻痒感は否めないが、ネタバレにはなるが瞬間調光ガラスの早変わりで退屈そうな調整室が現れたりと、年少者へのエンターテインメントにも一応は配慮されているのでお薦めの逸品である。

 不慣れな地理に首都高を横浜方面に入ったため慌て降りて飲食を求めて彷徨えば鈴木町が現れる。発祥の地らしく味の素のうま味体験館に出会したが、日曜かつ夜半では当然二重に何も賞味出来ない。
 如何にも郊外型の複合ショッピングセンターの一角で腹を満たして帰路に付く。製造業務同様に物流もまた労務空間そのもののみならず周辺住環境の彩りが次たる課題なのかも知れない。

8月20日(土) はたらくクルマ  -車・バイク - エコカー-

h644.jpg  出掛けの帝都は豪雨、途上幾分小降りにはなったものの雨雲は果てることなく、中止になったら富岡製紙工場でも覗いてと企んだが、ひと組だったら早々断念したかも知れないところ、コンペとあらば雷でも鳴らない限りは中止の号砲は鳴らない。
 元より各社秘書の集いとは言え、肩書きこそ秘書室所属ながら所謂純粋な秘書業からは遠ざかる一方で、ゴルフ人口不足の折り人数合わせに駆り出された身の上に仕事モードには程遠く、飛ばし屋や熟練の士に煽られる日頃と打って変わって初心者も少なくない気楽なラウンドである。
 加えて晴れ間も覗きはじめ心持ちこそ優雅になったものの、結局今日もバンカー、アプローチとも素人モードで、後半イン10番のバーディ逃しのOKパー以外に見せ場も無く、優雅さを成績に結び付けるには至らなかった。
 漸く昼間には佐久市内を睥睨したものの、後半も再び雨に祟られ浅間山は影も形も無く、偶然某先生をお見掛けしたのが何と無く職務を果たした感。

h645.jpg  そもそも長野まで自走往復は狂気の沙汰だったかも知れないが、遠乗りでプリウスの燃費力を試してみたかったのも事実である。
 結果としてリッター24.6kmからスタートして関越道の間に24.8まで稼いだものの、上信越に入り事故渋滞もありスピードを上げたところ見る見る内に24.2まで後退し登りの魔力を思い知る。
 矢張りハイブリッドはパワー不足かと思いきや、帰路の下りは驚くまでに電気だけで快走し逆に25の大台に突入したのだから末恐ろしい。元よりメーターが点滅するまでガソリンを入れない主義であり、残り目盛りひとつに至って耐え切れず上里SAにて10リットルだけ補充したのは情けない上にせこさの極みだったが、気が大きくなって再び飛ばしてなお更に上昇し、わが家に到達する時点で25.3である。
 しかも夜なので却って渋滞も解消され、往路よりも時間短縮を具現するとは畏れ入った。
 長嶋終身名誉監督ではないが、道路こそは谷あり底ありが望ましいということか。
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